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貧困と社会第8回(子供の貧困) #放送大学講義録

5年前から子供の貧困は問題になっている。「親ガチャ」という言葉が出てきている。子供は親を選べない。

 

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-----講義録始め-----

 

子供の貧困とその影響

子供の貧困は、社会的、経済的、文化的な要因によって引き起こされる深刻な問題です。この問題に対処するための「子供貧困対策法」が存在し、専門家として阿部彩氏が研究を行っています。

貧困は、一代限りの問題ではなく、貧困の連鎖として次世代にも影響を及ぼすことが知られています。この連鎖は、社会の階級上の分断を生む原因となり、特に教育の場において、親の階層によって子供の学習意欲が変わるという意欲格差が生じています。多くの子供たちは、将来の報酬を期待しての努力や勉強の価値を疑問視し、受験エリート層以外ではその確信が薄れています。

貧困の子供への影響には、さまざまな理論が提唱されています。投資論モデル論ストレス論遺伝論、そして文化論などがあります。これらの理論は、貧困が子供にどのような影響を及ぼすか、そしてどのように社会が介入すべきかを考察しています。特に文化論は、貧困層の子供が持つ文化資本の不均等性や、それによる階級の固定化、階級再生産の問題を取り上げています。

子供たちは、貧困をどのように体験しているのでしょうか。彼らは、主流の文化からの文化的裏切りを感じることがありますが、それでも多様な文化や価値観への接点を持つことが求められます。清水幸吉氏は、子供たちの社会関係資本として、地域、家族、学校との3つの繋がりを強調しています。

しかし、子供の貧困はなぜ社会問題化されにくいのでしょうか。福祉レジームの類型や家族主義、そして柄谷行人氏の提唱する親の社会的責任など、多くの要因が影響しています。特に、子供たちが絶えず危険な存在とみなされる現代社会では、彼らの問題が見過ごされがちです。このような背景の中で、子供の貧困やそれに関連する問題を真摯に取り組むことが求められています。

さらに、ルサンチマン貧困の犯罪化、そして親子心中といった概念も、子供の貧困問題に関連して考えられる要因です。これらの概念は、社会の中での子供たちの位置づけや、彼らに対する偏見、そしてその結果としての行動に関連しています。特に、貧困の犯罪化や親子心中は、社会的な側面からの子供たちへのプレッシャーや、彼らが直面する困難を示しています。