F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

誰もが加害者に?現代型いじめの実態(司法・犯罪心理学第4回その8)#放送大学講義録

-----講義録始め------

 

現代型いじめの特徴です。
現代型いじめは、いじめの加害、被害、防止、仲裁が入れ替わることが大きな特徴です。
2013年の国立教育政策研究所の調査によれば、小学校4年生から中学校3年生までの6年間に、およそ9割の小中学生がいじめの被害と加害の経験があるということです。
つまり、一部の子供だけが被害を受けているわけではないということです。
2012年に高校生756人を対象にしたいじめ調査では、いじめられたことがあるからいじめた、いじめられないためにいじめたといういじめ被害に関することをいじめ加害の原因にした子供が2割以上いました。
また、2014年に155人の大学生を対象にした小中高校時代のいじめ体験の実態調査では、いじめの加害、被害、防止、仲裁の複数の経験をしているものがおよそ3割いました。
このような調査結果からみると、いじめの加害者と被害者が固定するいじめを古典的いじめとすれば、現代型いじめは誰もがいじめの加害者、被害者になりうることが特徴だと言えます。
第3回の現代の非行の特徴で述べましたように、子供同士が傷つけ合うという子供集団の関係の歪みを顕著に示していると思われます。