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男性と家族(1)(リスク社会のライフデザイン第10回)#放送大学講義録

男性問題は女性問題と同様に考えなければならない課題である。

 

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-----講義録始め------

 

男性研究の観点から見た、男性の人生の各ステージとそれに伴う課題について考察します。生活の安全弁としての家族、特に昭和時代の家族構造における家族や親族によるリスク回避の方法を探ります。この時代では、育児や介護などの役割は主に女性が担っており、これはジェンダー秩序の一部でした。しかし、時代の変遷に伴い、昭和の家族構造も変化しました。

稼ぎ手としての男性の役割、家族の多様化、離婚や再婚の増加、共働き世帯の増加、そして未婚や単身者の増加が見られます。これらの変化は男性自身の問題にも影響を及ぼしています。例えば、暴力の加害者となるリスク、通り魔事件やストーカー行為、自殺、セクハラやパワハラの問題などが挙げられます。また、家族を構成できない男性、未婚率の増加、単身者世帯の増加、離婚の増加などにより、家族というユニットの崩壊が進んでいます。これらは、個人の多様な絆やライフデザイン、社会システムの再構築の必要性を示唆しています。

男性性やジェンダーに関連するリスクについても考えます。男の子はしばしば「男らしさ」に関連する圧力を感じ、これは母親への依存や自立への過程に影響を与えます。依存と自立という相反する要素が存在し、女性への依存も問題とされることがあります。「男の子だから我慢しなさい」という心理的依存は、青年期から成人期にかけての重要な課題となります。成人期には、婚活や就活、家族依存、女性依存、仕事依存といった問題が浮上します。晩婚化や未婚化も深刻な問題です。中年期には、子育てや教育費に関する悩み、稼ぎ手としての父親役割の問題などが見られます。また、男性は感情を抑えることが求められることが多く、助けを求めることを「男らしくない」と感じることがあります。