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研究における倫理的配慮(ヘルスリサーチの方法論第12回)(3)#放送大学講義録

プライバシーの保護も欠かせないものになっている。

 

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-----講義録始め-----

 

プライバシーと守秘義務: 1907年の刑法以来、医療者、法実務者、宗教者などは患者やクライアントの情報に関して守秘義務を負っています。この義務は、患者の権利を侵害せずに尊重することを要求しています。しかし、守秘義務に対する権利は当初は明確ではありませんでした。

プライバシー権の発展: プライバシー権は、1964年の三島由紀夫の「宴のあと」事件に関連する判例を通じて、憲法13条に基づいて進化しました。これにより、個人の私的な領域を他人にみだりに知られない権利が認められ、機密を守る義務が強調されました。

情報技術の影響と個人情報保護法: 情報技術の世界的普及と大量の情報流通、インターネットの拡大に伴い、2005年には個人情報保護法が施行されました。これは5000人以上のデータを取り扱う場合に適用され、学術機関は対象外とされ、倫理指針に委ねられることとなりました。OECDは80年代に8原則を定め、個人の秘密を守り、データの主体が個人であること、そして自分の情報の利用をコントロールする権利を確立しました。

インフォームド・コンセントとデータの匿名化: 研究参加者には、研究内容を説明し、同意を得るプロセスであるインフォームド・コンセントが必要です。また、個人情報を保護するためには、データと個人情報を分ける方法、例えば連結可能匿名化や連結不可能匿名化の技術が使用されることがあります。これらは、個人のプライバシーを保護するための重要な手段です。