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直系・傍系と戸籍の基本概念(人生100年時代の家族と法第1回)#放送大学講義録

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次に、直系・傍系についてです。自分と父母、祖父母、あるいは自分と孫のように縦に一直線に繋がる関係を「直系」と言います。これに対して、自分から兄弟姉妹、叔父・叔母、甥・姪、いとこのように横に広がる関係を「傍系」と言います。自分と祖父母の間は直系血族2親等です。自分と兄弟姉妹の間は傍系血族2親等です。自分と叔父・叔母、あるいは自分と甥・姪の間は傍系血族3親等です。自分といとこの間、つまりいとこ同士は傍系血族4親等です。自分と配偶者の父母の間は直系姻族1親等、自分と配偶者の兄弟姉妹の間は傍系姻族2親等です。

また、父母や祖父母のように自分から見て上の世代を「尊属」と言い、子や孫のように自分から見て下の世代を「卑属」と言います。自分から見て、配偶者や兄弟姉妹、いとこなどは横に並ぶ関係なので、尊属でも卑属でもありません。この「尊属」「卑属」という概念には実際の年齢は関係ありません。最近では少なくなりましたが、自分よりも年下の叔父・叔母や年上の甥・姪が存在することは、かつては珍しくありませんでした。

最後に、戸籍について述べておきましょう。

戸籍は、日本国民であることを公式に証明し、かつ人の性別、出生日、出生地や父母、兄弟姉妹など親族の情報を記録した帳簿です。かつては紙で管理されていましたが、現在は電子データ化されています。出生、婚姻、離婚、死亡など自分と親族の情報が戸籍に記録されるため、自分のルーツを明治時代まで辿ることが可能です。例えば、私の母方の曽祖父が明治4年生まれ、曽祖父の父が1848年(嘉永元年)生まれであることがわかります。皆さんも機会があれば、戸籍で自分のルーツを調べてみてください。

なお、戸籍については、1枚の用紙に個人およびその家族の情報が記載されることから、プライバシーや個人情報保護の観点から不適切であるという指摘もあります。これは、国家が国民の情報をどのように把握し、どのように記録するのかという非常に大きな問題につながっています。現行制度を単純に受け入れるのではなく、戸籍という身近な制度が現代社会、あるいは今後の社会にふさわしい制度であるのか、皆さん自身で考えてみてください。