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家族と法(民法第14回)

夫婦別姓を認めると家族の美徳が云々言う人が居るけれど、夫婦別姓の国で家族が成立していないことを示して欲しいと思う。

 

円谷峻。本山敦。家族と法。現代の家族について法の立場から。家族法を専門にされている本山敦教授を招いて補足説明を。
現代社会における家族法の観点から基本原理を。家族法は戦後に憲法制定に基づき22年に改正。基本原理は個人の尊厳、両性の本質的平等を。2条で解釈の原理として。戦前の家制度とは全く異なる。基本原理は今日の家族関係で貫徹されている?家庭内暴力や夫婦間の役割分担が意識的無意識的。妻は家庭を守ることが前提になり社会制度も維持。このような役割分担論には問題が。女性の社会参加も進展。個人の尊厳と両性の本質的平等という基本原理を維持しつつ社会参加を支えるための法律が必要に。平成12年に男女共同参画社会基本法が制定。1条で男女の人権が尊重され豊かな活力ある社会を。男女共同参画社会の形成に関し基本理念を。現代家族法の課題とは?現代家族法の課題。国際化高齢化多様化情報化。国際化。国際結婚の割合が増加。昭和40年は0.4%。最近1割に迫る。日本人男性とアジア系女性が。国際離婚も増えて。11年7月にニューヨーク州が同性婚を。各国で07年から同性同士の関係を認める。LGBT。これらの人々を法律にどのように取り込むかは大きな課題。渋谷区や世田谷区が条例を。地方自治体のレベルでの取り組みは広がる。婚姻は従来は男女のものとされたが、多様な家族を。情報化。家族紛争に変化。家事調停委員でも夫の浮気相手が離れている。出会い系サイトで知り合う。携帯やスマホの普及で珍しくない。ICTの発達は家族法に影響。家族法においても今日的課題が山積。
婚姻。婚姻意思の合致や婚姻届を。婚姻障害事由のないことが必要。特に民法733条規定の再婚禁止期間。1項で女性は前婚の解消取消から100日経つまで再婚出来ない。嫡出推定の問題が。成立の日から200日を経過した後以降などに産まれた子は嫡出が推定。双方の嫡出推定を受けることになるのを防ぐ。夫も平成27年の最高裁の判決では。12月16日の違憲訴訟大法廷判決。憲法に反すると判断。6ヶ月の再婚禁止期間は長すぎると。民法733条の期間は100日に変更。事実婚。婚姻の実態があるが届け出が無い。内縁。法律婚に至るべき過度的な状態というニュアンス。戦前は婚姻予約とされた。夫婦別氏の方が良いと事実婚を選ぶ人も。婚姻の効力。夫婦の氏、夫か妻かどちらかの氏を。多くの場合は夫の氏が称される。夫婦の氏については激しく論じられる。夫婦は同一の氏を名乗る750条の規定の意味は?女性の社会進出が。妥当性が疑問視。平成8年の改正要項。希望すれば別氏でも良いという選択的な制度。夫婦別氏を合憲と判断。立法により解決すべきと。婚姻その他の効力。夫婦の同居協力扶助の義務。夫婦間の扶助義務とは生活の一部として自らの水準まで。
離婚。協議離婚、調停離婚、裁判離婚。協議して離婚。整わない時には裁判離婚による。直ちに裁判離婚を求めることは出来ず。家裁で調停前置主義。調停は調停委員会で。裁判離婚。調停が不調になることを前提にして訴訟を提起できる。どのような場合に認められるか。770条1項で具体的離婚原因を列挙。不貞な行為。悪意の遺棄。3年以上の生死不明。強度の精神病で回復の見込みがないなど。婚姻が破綻したことも原因。離婚原因を破綻主義に基づくと。有責配偶者の離婚請求。婚姻関係を破綻させたことに付き責のある者は離婚を請求できる?夫が別の女性と愛人関係になり婚姻が破綻した場合など。かつては請求を認めると妻が踏んだり蹴ったりになるから認められないという主張が一般だった。しかし破綻した以上は覆水盆に返らずだから請求を。財産分与などの手当が必要。離婚の効果。財産分与。復氏。氏を改めた夫婦の一方は。婚姻前の氏に戻った者は届け出て称していた氏を称することもできる。婚氏続称。離婚により婚姻前の氏に戻らなければならないとすると社会的不利益も。子どもの問題もある。財産分与。768条により相手方に対し財産分与を請求できる。財産分与については当事者に協議が整わないなどの時は家裁に処分を請求できる。しかし2年の制約。家庭裁判所は当事者双方が分与をさせるべきか、額や方法を定める。精算的な要素や扶養的要素がある。財産分与に慰謝料的な要素が含まれるか。一切の事情を考慮して分与額が。含まれるとして良い。離婚と子ども。婚姻している父母は共同で親権を。離婚する場合はどちらか一方を親権者として。単独親権者を決められないケースも。家裁の審判に因るが、子供の将来に大きな影響を及ぼす。裁判は後処理だが子供の将来の問題なので難しい判断。未成年の子供がいる場合は8割が母が単独親権者。現実には女性の地位は低く小さいこどもを抱えたシングルマザーは貧困の危機に。子の父であることに代わりはないのだから分担の必要。養育費の規定を作れるのは4割で実際に払われるのは2割。子どもは両親を見て大人像を形成する。面会交流を。定期的に会っていれば養育費の分担を。平成23年に養育費や面会交流の規定を定める。両親の離婚という辛い経験をした子どもが健やかに育つように。養育費や面会交流に規定が出来たことは大きな意味を。言いやすくなる。
親子関係。772条1項。懐胎した子どもは夫の子と推定。2項所定の要件で婚姻中に。嫡出推定を受ける子。覆すためには嫡出否認の訴えを。知ったときから1年以内に。777条。婚姻前に懐胎し成立後200日以内に結婚した子どもは推定を受けない嫡出子とされる。親子関係不存在確認の訴え。人事訴訟法。訴えの利益のある者なら何時でも。推定の及ばない子。形式的には適用要件を満たしても不合理な場合。夫が長期間不在だったり別居状態だったり。嫡出推定に関して無戸籍の子という問題が。婚姻中の女性が夫のDVで別居をしている。離婚に応じてくれない間に別の男性の子どもを妊娠出産。夫の子と推定されてしまう。しかし夫の子ではない。推定されてしまう、夫の子としての抵抗が。届け出ないと選択。無戸籍児。国民として認知される大前提で、住民票や福祉教育のサービスを受けられない。対応するために超党派の国会議員による検討を。男女間の子を嫡出でない子と。父や母が認知できる。認知には任意に。780条。強制認知。出生の時にさかのぼりその効力が生じる。科学技術と親子関係。科学技術の発展は親子法に影響。第三者からの提供された卵子や精子を使って。提供を定めたり代理出産を定めた法律は日本にはない。科学技術の発展の一方で民法のルールが追いついていない。どのように取り込むかは価値観の問題が。停滞状態が長らく続いている。扶養。870条から直系血族や兄弟姉妹には互いに扶養義務が。夫婦間に。相互の扶養義務を過度に強要することは憲法25条の要請と抵触する。生活保護を受ける時に扶養義務を盾に硬直的に拒否するのは問題。社会福祉政策の重要な課題に。
平成8年の法律案要項。民法の一部を改正する法律案要項。実現されていない。家族が大きく変化したことを受けて必要な民法の改正を。再婚禁止期間に関する。面会交流に関する。非嫡出子の相続分などは最高裁の判例で。多様化。結局は多様な意見を持つので一本化することが難しく。紛争が多様化して一般的ルールも難しくなる。

 

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家族法 第2版 NBS (日評ベーシック・シリーズ)

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