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心理療法と夢(2)(臨床心理面接特論(2)第11回)

心を読み解くのは謎解きみたいで面白い、と言えば不謹慎だろうか。ううみゅ。

 

前回の補足。イニシャルドリーム。イニシャルは最初の、という意味。頭文字を。名前のイニシャル。カウンセリングや心理療法の最後の段階で意味がわかることもあるし、最後の辺りで現れた夢がイニシャルドリームの答えになることも。未来に関わることは不思議ではない。よく在ること。非科学的?臨床現場で起こっているので、現実のことを俎上に載せるのが科学として大事。とても難しいケースなどを抱えるクライアント。クライアントと一緒に見つめるセラピスト側も大変では在る。難しい状況にあるクライエントが語る最初の夢、最初にイメージ。厳しいスポーツのゲームが終わってホッとする、というイメージもある。あの夢があった。カウンセリングは終わることが出来る。そういう夢がイニシャルドリームとして出てきて、それに支えられて何年もの心理療法を乗り切ることもある。必ずしもホッとすることでなくても、非常に難しいイメージ、難しい状況をイニシャルドリームは示していることも。ユングが紹介していたイニシャルドリーム。このクライアントと私でやっていけるのか。何とかやっていこうということで始める。難しいイメージのイニシャルドリームを冒頭の最初のページに挟んでおく。どうなっていくのかを何年もかけて抱えながら最後まで乗り切ることもある。心理療法においてのきっかけや支え。検討しなければならない課題を明示するなど様々な意味を。イニシャルドリームを大切に。その回だけでなく向き合うことを。ユングの紹介したものを。遠い話と思われる?日本で心理療法をやっていく時に。外国から刀を輸入することになるという夢。机の引き出しを開けてみると箱の中のピストルが見える、というのが前回。今回は刀、外国。ユングでは国境というものがあった。心理療法はこれまで生きてきた国でそのまま生き続けるには行き詰まっている?自分の国に刀を輸入する。頭を柔らかくして。比喩的に象徴的にイメージを心の中に浮かべる。外国は自分の国でない未知の遠い国。どういう国か聞いてみたいけれど。韓国かアイルランドかアルゼンチンかロシアか。比喩的に外国を考えて、自分の国でないところから輸入する。自分の世界価値観に刀は無かった、と考えて見ても良いかもしれない。夢見手による。世界の中に刀が入っていくことが大きな課題、という読みが。夢見ての方に、刀っていうのはどうか、というところから始まる。夢をどういうふうに読んで理解していくかの第一歩。どのように読んだとしても、そのままクライアントに伝えるのではなく、読みを前提として問いかける。心理療法における読み。心理療法における問いかけと語りかけ。夢との向き合い方でも在る。夢をどのように読むのも大事だが、夢にどのように向き合うかはまた別の話。読みを持ったとしても、刀とは、などと問いかけることから始める。刀といいピストルといい、攻撃的なもの。危険。象徴的な比喩的なイメージが入り込んでいる。それが心理療法。しばらく経つと輸入した刀が空港についたと連絡が、税関で職員と衝突する。不思議かもしれないが、続きの夢は実によく出てくる。以前は遠い外国にあったのが日本に来ている。自分の世界の水際に来ている、と捉えたら良いかもしれない。夢なんか見ないというクライアントも時々いるが、心理療法を続けると夢を見ることが多い。意識が内界に向き始める。そうすると心の奥が活性化される。それが夢として出てくる。ある意味当然。
現実直視の視線。主体水準の視点。客体水準の視点。転移の視点、超個人的視点。それ以外にも視点はあるが、きちんと一つ一つマスターするのが良さそう。主体水準の視点と客体水準の視点。1年下の後輩を見かける。あまり好きでないので目を合わさないで通り過ぎようとしたが、見つかってしまう。ホテルのトイレの個室に入る。後輩がノックする。うるさい、と怒鳴る。後輩の女性をどのように?後輩の女性というのを夢見手が。客体水準の視点。現実の後輩でもって表される心の中のイメージ。人物像を主体水準の視点で見る。現実世界に居るだけでなくクライアントの心の中にも居る。もう1つ夢を。自宅でインターホンで。胡散臭そうな男が。面倒なので留守を装う、居間に男が入ってこようとして悲鳴を上げる、それで夢が終わる。具体的状況は異なるが、本質的には見ている?夢見手がいてもう1人が居て出会いが。夢見手は逃げがち。どんな印象があってどのように読むか、どのように問いかけるか?面接授業なら手が挙がることも。自身ではどのようなideaが浮かんでくるか。インターホンの呼び出し音を。客体の視点で。リフォーム会社のセールスマンがきっかけ?現実の人物が居て夢に現れた。胡散臭さを見ていく。客体水準の見方。ところがその人物像がクライアントの心の中にある。チャイムを押して入ってこようとする。訪問者は心の奥深くから意識に入ってこようとしている。どんな男ですか、という語りかけから。スキューバダイビングで海に潜り、浮上すると同僚のAくんが着衣で横たわっている。面倒なのでそのまま立ち去る。夢見手と同僚のAくん。ここでも逃げ腰。夢見手が20歳後半の女性だと、Aくんはどんな人かと聞く。あまり言葉を交わしたことはない。Aくんはいつも考え事をしている。よりによって夢に現れてきている。何故?海の底や水。比喩的には心の世界の奥深く。それにしてもAくんが普通の服装のままで。海の底に横たわる、死んでいるということでもない。問いかけてみたいが、それでも面倒になるのは嫌なので離れるのですか、と問いかける。夢そのものを。離れていかれるのですか、と問いかける。そのセッションの中だけでなく、帰りの電車の中でも帰ってからでも、自分の夢と取り組み続けてもらえるようになる。
転移の視点。本来は心理療法の中でクライエントがかつての重要なキーパーソンへの思いをクライアントに投げかける。セラピストに向ける。気持が転移される。少し広く考えられて、クライアントの思いや記憶を転移として見ることも多い。正気を失ったようにしがみつく男。転移の視点で見ている。税官吏。なんとなくユングとつながっている。夢の中の人物をクライアントと繋がるように。ピンポンとチャイムを押して訪問する人物像。転移の視点で見ることも出来る。部屋の中に入ってくるのはセラピストかもしれない。心理療法やカウンセリングにおけるセラピストは、心の中に少しずつ招かれて入ってくるのかもしれない。侵入的にクライアントの世界に入り込んでいることもあるかもしれない。人物像をセラピストの観点でみることも出来る。セラピスト像。タクシードライバー。道案内の場合。シェルパ、水先案内人。スイミングのコーチ。水とどうやって関わるかを導く。水は夢見手の無意識。医師や助産師も。献血の為に200cc採血してもらう。看護学生に最後の100ccを採血してもらうよう。うまく採血できない。転移との関係。読み。採血の為に腕を出す。最初はベテランの看護師。途中から看護学生に。どういうことが背景として有りうるか。研修をしながらカウンセリングする。チューリヒで候補生として。支払う料金も安い。分析を受けるので一方では不安。しかし相当の低料金。研修の必要性も理解できる。最初はベテランが。それ以降は研究生に預けられる。しかし動揺することはない。やってこられてどういう気持ですか、クライアントにより、不安はないですと答えることがあるが、研究生に対する不安があることも。それはぜひ俎上に載せたい。外国の研究生だから大丈夫かなと思っていたと言われることも。しかし不安を夢に導かれて、勇気を持って不安な気持を言葉にしている。どのように対応するか微妙で大切。不安になられるのが当然。私もそう。どうされますか。不安すぎますか?不安を持ったとしてもやめようと思うのでなく、自然だと受け止めてもらえる、やっていけそうと仕切り直す。セラピーを続けようと思うことも。

 

臨床心理面接特論〈2〉心理療法の世界 (放送大学大学院教材)

臨床心理面接特論〈2〉心理療法の世界 (放送大学大学院教材)