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『古事記』の成立と歴史意識(『古事記』と『万葉集』第1回)

記紀は名称を知るくらいだけど、日本人として天皇家の歴史はフォローしなければと思う。

 

多田一臣。古事記と万葉集。日本の上代。古代の前期。2大古典。古事記と万葉集。歴史意識の上で大きく共通するところがある。先ずはそのあたりから。古事記は元明天皇の時代に。天武皇統。正統性の意図を。天武天皇の息子の草壁皇子が無くなったので持統天皇が即位。文武天皇が即位したが若くして亡くなる。元明天皇。元正天皇。724年に聖武天皇がようやく即位。古事記。神代から推古天皇まで。ともかくも推古天皇まで。推古天皇の次が舒明天皇。天武皇統。舒明天皇より前の歴史を。万葉集。20巻。巻1と巻2。歴史意識が古事記と重なる。挽歌。雑歌。相聞。歌を天皇の代ごとに並べている。歴史的に配列。舒明天皇を始祖とみている。天智天皇天武天皇を近代と捉える。奈良時代を現代と意識。天武皇統の流れ。奈良時代を現代とする意識。巻1の冒頭。雄略天皇。続くのは舒明天皇。舒明天皇を近代の始祖と。相聞の部。磐之媛。天智天皇。挽歌の部立。舒明天皇を近代の始祖と捉える。古事記の歴史意識を引き継いでいる。もう一つの宮廷史を。古代前期の古典を並べたのではない。
古事記の成立。書名はフルコトブミ。フルコトとは?共同体の語りの句。聖なる語りの場。語り部。フルコトとは語り部による聖なる伝承。古事記や風土記。叙事文学。古事記の書名はフルコトブミ。フルコトの記録。古い伝承が全てではなく。フルコトとは権威ある古くから伝えられてきたとされる。フルコトの具体例。表現の特徴。修辞性を極めて濃厚に持つ。韻律的。
古事記がフルコトブミ。まるごとフルコト?本来のフルコトとみてよい部分はごく一部分。反対から言えば、フルコトの存在が書名を決定するほど大きな意味を。古事記の成立事情。元明天皇の時代の歴史書。序文。かなり以前から偽作説が。後の時代の人が書いたという説。古事記そのものが平安時代に。古事記偽書説。現在では下火に。古事記は奈良時代に。序文偽書説は根強い。しかし偽書ではないと見る。安麻呂以外には書けない。壬申の乱が平定。天武天皇は古い伝承などを整理しようと。稗田阿礼に命じて。711年の9月に元明天皇が。日本書紀にも類似した事実が。古い伝承の整理が。日本書紀によれば記録させた。記録されたものと稗田阿礼のもの。関係は?稗田阿礼の。序文には稗田阿礼が聡明であることを。尋常でない記憶力。目に渡れば。文字で書かれたものを見ていた。日本書紀のもの?具体的には?全ての内容を記憶?暗証することが出来た?読むとは指折るように確認すること。ツクヨミ。月を擬人化。何日の月かの月齢を。テキストを音声で唱える。テキストを忠実に複製。何らかの規範となるテキストを。テキストとしては天武天皇の。朗読という単純なものではない。漢文で記されていたに違いない。大和言葉の語りに戻すことに。稗田阿礼の役割は大和言葉に戻すこと。行為の大半は記憶に頼る。全ての伝承を語りとして記憶。あくまでも読む行為としてあったこと。ある規範化されたテキストがあった。稗田阿礼が読むことでしか内容は分からなかったが。存在が鮮明になる。文字の世界だけでも完全なテキストの作成が。
古事記の冒頭部分。表記についての色んな局面。漢文体。注意すべきは神の名前は神そのもの。読み誤ってはならない。音仮名で。読み誤りを避けるため。訓で。神の正体がはっきりするから。訓の神様は新しく生み出された。男性の霊格。生命力を神格化。名前の説明。漢文体により。散文的説明。伝承世界の語言。音によって。フルコトの一部。できるだけ保存を。何故伝承的な表現がそのままの形で保存を?フルコトこそが聖なる言葉という意識が残っていた。文字はあくまで仮のものという意識が残っていた。口伝えでしか残らないという意識。漢字漢文で表現する時にフルコトだけはそのまま残そうと。音訓を交えて。しかし口伝えはそのまま保存できない。臨場感のようなものは失われる。そのまま残そうとしたのは伝承の真実を保存するため。フルコトブミである意味。口承の優位性。現在とは異なる。はるか古代は文字は仮のもの。聖なる言葉。口に出したものが聖なる力を。使者の口上。横綱大関に。口頭が重要であった。口頭で伝えないと正式に伝えたことにならない。お品書き。舌代。口頭で述べるべきところを舌の代用に。三遊亭銀座の落語。口承の優位。現代にまで残されている。古事記のフルコト。実際にはフルコトをそのまま残したところは多くない。フルコトの価値を積極的に利用して国家的伝承に。
別の問題。日本書紀との関係。国家の正統な歴史書。720年に成立。古事記の8年後。何故?偽書説の根拠に。記紀は編纂の目的が全く違う。古橋信孝。フルコトブミと漢文体に記されているものと。口語と文語の違い。大帝国に対して日本の自立を。公の歴史書として。古事記は国家の正史ではない。律令制度の成立以前の。宮廷史だった。天皇の系譜的つながりを核に。天皇の代ごとに。反乱や伝承が。古い時代の宮廷史。古事記は古層の宮廷史。日本書紀とは全く違う。対外的威信を。草壁皇子のお妃。受け継ぐこと。天武皇統を守ること。天武皇統の正統性を記した歴史書を。国家の歴史ではなく宮廷の歴史。天皇家の歴史が必要とされた。推古天皇しか語っていないが。舒明天皇の前の推古天皇までを語ることに意味が。天武皇統の正統性を。国家の中心に存在する天皇の歴史。国家の歴史たる日本書紀との違い。

 

『古事記』と『万葉集』 (放送大学教材)

『古事記』と『万葉集』 (放送大学教材)