日本国憲法は公布されてから一回も改正(というか修正)をされたことがない。このことを問題視する立場も頻繁に耳にする。なお戦後混乱期に日本国憲法が制定されたが、法形式上は明治時代からの大日本帝国憲法の改正である。憲法改正は何度も議論されて国民投票法も作られているがそれには至っていない。改正(というか修正)の是非には触れないが、事実上は修正されているとの見解も有力である。憲法学では「憲法変遷」という概念である。憲法9条では「戦力」を持たないこととされているが、実際は自衛隊という「戦力」があるから事実上は憲法9条の修正がされている、とするなどである。しかし法律学を噛ると、この憲法変遷に気味が悪い感覚を持ってしまうのは否めないところ。