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グローバリゼーションとローカル社会(総合人類学としてのヒト学第14回)

グローバリゼーションで何でもかんでも同じになるとは考えない方が良いのだろう。

 

深山直子。グローバリゼーションとローカル社会。グローバリゼーションという現象。均質化と異質化の力学。ツバルを対象として調査の事例についても。
グローバリゼーションとはなにか。グローバル化はごく当たり前に。色々な断面で世界の。60年代初頭に英語の辞書に。グローバルから。あらゆるものが地球上を移動。環境問題などで地球を単位として議論する必要が。90年代にかけて普及。言葉の経緯から、グローバリゼーションは最近の現象と思う人が多い。その前はローカル社会の内側に。そんなことはない。はるか昔から。グローバル・ヒストリー。13世紀にはEuropaから中国への交易が。木造帆船。7世紀から8世紀にインド洋の海域で。そもそもアフリカ大陸で誕生した人類が拡散した事実も、物ことの移動と捉えられる。ホモモビリタス。拡散して多様な環境に適応。文化社会の多様化に。広義のグローバリゼーションには人類史と同じ長さが。しかし最近に限定するのにも意味がある。比べ物にならない。一般的にグローバリゼーションと呼ぶのは狭い意味で。近代、16世紀あたりには既に存在。速度や広がりに違いは留まらない。近代以前は多様な地域を中心。近代以降はEuropaを中心に。大航海時代。ヨーロッパ人は世界認識を広げる。プロテスタントの世界進出。オランダイギリスフランスが先導。大西洋三角貿易。蓄積された富が産業革命を。アメリカの独立で拡大。19世紀後半の植民地化。第一次産品を供給させて市場とさせることで富を蓄積。世界規模の戦争へ。冷戦に。ソ連圏の崩壊で資本主義の拡大。自由競争を重んじる。情報技術革新が進む。5次のグローバリゼーションの日本に対する影響。戦国時代。ポルトガルやスペイン。江戸幕府。いわゆる鎖国政策。オランダを通じて蘭学が輸入される。言語や文化を共有する国民国家や軍事を。植民地化を。欧米中心のグローバリゼーションへの対抗。アメリカの強い影響で高度経済成長を。グローバリゼーションを。もはや欧米化の次の段階に。中心性は文化のレベルでは曖昧。グローバリゼーションというと知識の伝達を。人の意思で。欧米型の軍事文化。身体に変化を。ナンバ走り。上半身と下半身のひねりがないあるき方。農村の文化で。軍事文化の一環でナンバという歩き方が廃れる。右手と左足を一緒に。更にグローバリゼーションにより感じ取れないものが移動。感染症の移動。パンデミック。1918年からスペイン風邪というインフルエンザがパンデミックに。日本でも半数が感染。口蹄疫や鳥インフルエンザのように動物に感染するものも。ウイルスの移動を制限するのは困難。身体動作や病なども世界を。人の思惑とは関係なしに。コントロールも出来ない。
グローバリゼーションとローカル社会の関係。ローカル社会の固有性が失われグローバルな色に。短絡的。現実にはグローバリゼーションとローカル社会の関係は複雑。食べ物の文化。ファーストチェーン店のマクドナルド。100以上の国に3万店以上。マクドナルド化する。均質化を強調。食文化はそのまま受け入れられていない。イタリアでは首都ローマで開店した時に、スローフードという抗議運動が。危機感と食文化の活性化を。世界各地でも展開。食文化の再ローカル化を。日本でも00年辺りからスローライフやロハス。健康的で持続可能な。食育が重要であるとも。伝統的な食文化の見直しを。マクドナルドが受け入れられた?ローカル社会による変容が。96年に進出したインド。ベジタリアンが非常に多い。100%のパテ?鶏肉や野菜などを。多彩な香辛料をメニューでも。食べ物自体に留まらず店舗の利用にも。日本では喫茶や休憩、仕事にも。サイドメニュー。電源が使えたり。日本の食文化。グローバリゼーションを。ニュージーランドのオークランド。寿司屋は持ち帰り専門店が多い。甘辛いソースの鶏肉などをネタとして使っている。ティータイムで寿司をつまむことも。ローカル社会はグローバリゼーションに翻弄されるだけではない。対抗してローカルな文化を評価したりグローバリゼーションな文化を変容させたり。土着化や地域化、ローカリゼーション。並行する現象。グローカリゼーション。均質化と異質化の力学を。
実際に行ったスバルでの調査研究を。人類学で長期滞在してローカル世界を深く掘り下げる研究手法が。あまり人類学には向いていない?グローバリゼーションを深く掘り下げる。フローに着目。スケープとして立ち上がる。景観を描き出すことが重要な仕事。環礁ストー。スバルという国;オセアニア。ポリネシアの西端に。多数の島を。人口は1万人弱。主たる収入源は入漁料と海外送金。19世紀末にイギリスの保護領に。78年にイギリスから独立。地球温暖化問題で世界に知れ渡る。結果。海面上昇が。国土の殆どが平面の島。キリバスなどとともに深刻な被害を。ヨーロッパ人のイメージ。未開の地など。日本でも楽園というイメージが。海面上昇の主たる原因は先進国。被害者として描かれる。前近代的イメージがより強化。沈むスバル。フィールドワークを。フナフティ環礁。人口の一極集中。建築物の数の経緯。低地が居住地として利用されるようになった。リスクを知らないとは考えられない。住民9人からライフヒストリーを。他の島の出身。55年生まれの女性。教職課程を。78年の男性と結婚して教鞭を。83年に生まれ故郷に。84年にフナフティに流産の恐れがあるとして移動。01年には奨学金を得てフィジーに。09年時点では7人の家族に。人々はキリバスやフィジーなどにも。環境問題。結果はローカル社会に留まらない。浸水や塩害のリスクも。スバル人を被害者として報道。浸水リスクの高い住居に拡張。市街地についてセンセーショナルに報道されるが。人口の過密化で。ライフヒストリー。海を超えた長距離の移動を繰り返す。移動の背景には可能にする島を越えた親族関係を。住民は能動的に。国際社会は真摯に向きあう必要があるが。たくましく適応し対応する。隣近所に島の間の移動を。近代以降のグローバリゼーションで可能になったが。前近代から先祖が移動。
一般的にはグローバリゼーションとローカル社会の関係は多様。現代においてグローバリゼーションと無縁のところはない。閉じている存在ではなく開いているものとして。

 

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