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権利の主体(民法の担い手)(民法第2回)

法学部で最初に学ぶ科目は民法総則が多く、その最初の部分が権利の主体の部分なのだが、法律学を学び始めた人間には分かりづらい。契約から入った方が良いという意見も結構ある。

 

円谷峻。本山敦。権利の主体。民法の担い手。家族法と密接に関連。家族法の専門の本山敦。
自然人の権利能力。権利を持ちうる資格。出生により。胎児が全部露出した段階で。刑法では一部露出説もあるが。その段階で堕胎をしたら殺人罪になるかの深刻な問題がある。民法では素直に考えて。権利能力について。特に胎児の。損害賠償や相続については既に産まれたものとして。遡及効ある停止条件説。遡って。ある法律行為があっても直ちにその効力を発生させるのではなく停止させる。停止条件については147条。学説には解除条件説が有力。この説によれば代理人として行為をすることは可能に。法律行為があり効力が発生しても失われる場合に解除条件が。登記実務では胎児段階で登記が出来る。
制限行為能力者制度。行為能力が充分ではない者。前提は意思能力のない者の法律行為は無効と。明文にはなっていないが私的自治の原則から。近代市民法は市民が対等な立場で合理的意思で取引をするのが前提。意思能力のない者は無効と。判例によれば7歳から10歳くらいの。個別的なケースで判断するのが困難。取引の安全の確保などで制限行為能力者制度が。従来の無能力者制度の問題点。ノーマライゼーションの考えは世界的なもの。
未成年者と親権者。親権や親権の喪失。親権の懲戒権。822条。平成23年に改正されている。監護及び教育に必要な範囲での。従来の無制限な懲戒権は否定。
制限行為能力者制度の採用とともに任意後見制度が。
本山敦から3つの点について。ノーマライゼーションの尊重。60年代以降北欧を中心に主張。高齢者や障害者を隔離するのではなく普通の生活が出来るように。自己決定の尊重。従来は恩恵的なものとして与えるものだったが、何処に住みどのようなサービスを受けるかを。自己決定の尊重。民法858条では成年後見人は意思を尊重することと。成年被後見人の財産を管理するが自己決定を尊重することと。施設に入るか否か、どのようなサービスを受けるか、など。本人の意向の尊重が。
平成23年に親権に関する改正が。子どもを守るには児童福祉法が。当時は戦災孤児の。児童虐待で死亡が大きな問題に。社会も関心を。平成6年の子どもの権利条約。平成12年に児童虐待防止法が制定。改正を重ねているが、他方で親権者による子の懲戒の規定が。あくまで懲戒であり躾であるとの主張が。適切な対処のために、民法の親権についての規定の改正が必要と。懲戒について。改正前は必要な範囲内で懲戒できるとしたのが、820条の監護教育に必要な範囲で。子の利益のために行使されるものと。子どもが命を落としたり怪我をしたりするのは明らかに子の利益にならないと。権利であると同時に義務。親権の行使に際して子どもへの配慮が。親と子の関係を改めて考える時代に。法律が変わったのは大きなこと。
任意後見制度の現状と課題。位置づけ。成年後見制度は2つに。成年後見補佐補助の3つは法定後見制度。家庭裁判所が選出して監督を。任意後見制度は目玉の1つ。理念に保護される本人の意思の尊重が。どのような介護や支援を受けるか、など。本人の財産を管理する。本人がまだ元気な内に選んでおいて、本人が意思能力を失ったら管理を委ねる。平成11年に民法の特別法として任意後見契約に関する法律。任意後見制度は残念ながら利用されていない。平成27年には816件。いわゆる認知症高齢者は300万人とも400万人とも。ごく一部しか利用していない。利用の低迷。制度全般においても。平成28年に成年後見利用促進法。責務を定め成年後見制度利用促進会議を内閣府に。民法でも事務の円滑化が。任意後見を含めた制度全般に課題が残されている。今後利用促進法に基づく取り組みで問題が解消されるか。
制限行為能力者制度と相手方の保護。取り消しの意味。制限行為能力者制度は取引上優遇。121条は取り消された行為は初めから無効。現に利益を受けている限度において変換の義務を負う。所有する非常に高価な動産を売却。売買契約を取り消す。初めから無効なので返還を求めることが出来る。代金の返還の請求は?代金を遊興費に使い果たしたとする。現に利益を受けていないので返還をする必要がない。生活費に充てた場合は現に利益を受けているので返還をしなければならない。制限行為能力者は優遇されているから不誠実な行為をする者まで優遇する必要はない。詐術をする者について。21条。詐術に関しては沈黙をしている場合は。最高裁昭和44年判決。最も秘匿すべき情報。他の言動とともに相手を誤信させたならば詐術とする判決は適切。
失踪宣告。普通失踪と特別失踪危難失踪に。失踪宣告の効果。受けた者は死亡とみなされる。満了した時点で死亡。された時点ではない。失踪宣告によって婚姻は解消され相続が開始。失踪宣告の取消。裁判所による32条。失踪宣告を受けた者が突然やってきてではなく裁判所による。取り消されると失踪宣告がなかったことに。遡及効がある。失踪宣告後取消前の第三者の保護を。32条は取消は善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。財産関係についても身分関係についても。失踪宣告後に再婚したが取り消された場合。失踪宣告が取り消されれても双方が知らなかった限りで有効であると。婚姻有効説。この節が妥当。平成8年の民法の一部を改正する案。
権利能力の終了。同時死亡の推定。権利能力の終了は死亡。例えば一緒に旅行に出かけて3人の家族の内2人が死亡。僅かな死亡前後の相違により相続人が変わる。錯綜した問題が生じないように推定規定が。
脳死と臓器の移植に関する法律で取り扱われる脳死は一般に適用されるわけではない。臓器移植法の課題。脳死について。そもそも死とは?3兆候説。心臓死。脳死は脳の中心的部分の脳幹が損傷して回復の見込みがない。臓器移植と密接。生体肝移植。親子間などの肝臓腎臓の移植はよく行われている。心臓死の遺体からと脳死の遺体からの移植。血流のある段階で臓器を。心臓が動いているので生きている状態?殺人罪が成立しかねない。心臓死ではなく脳死として。混迷を極めた。半世紀前に心臓移植が。世界で2例目。本当に脳死状態だったか疑問が出てスキャンダルに。世界では法整備も進められたが日本ではタブーに。政府は検討を開始して脳死臨調は平成4年に答申を。平成9年に臓器移植法が。臓器提供する場合のみに脳死を死とすることに。臓器移植法ではドナーカードで意思を表示していて遺族が反対していないことを要件に。年少者については臓器提供はできないと。平成21年に改正。本人の提供の意思が不存在であっても遺族の意思によるものでも。年少者でも可能に。本人の意志に由らず。美談として取り扱われると圧力に。人生観生命観は様々。個人の意思の尊重が必要。
民法の担い手として法人について。平成18年の改正により法人法の大半が特別法に。公益法人規定が形骸化しているので是正が必要に。これまでは営利法人ではない非営利法人は設立については主務官庁の許可が必要だった。公共性の有無に関わらず、準則主義に。一般社団法人や一般財団法人。法人の能力。民法典に残された規定。34条。法人は定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内で。範囲内かどうかが問題に。解釈でその範囲が決められることも多い。判例は営利法人の場合には広く解して。権利能力なき社団。判例は法人格を有しない団体でも組合とは異なる扱いを。687条。民法上の組合。労働組合や生活協同組合は特別法で法人格が与えられているが。認定された団体が第三者と取引して、社団の構成員が責任を負うことはない。厳格な審査による許可が必要。多くの団体に法人格が認められない状況にあった。実態に即した取り扱いを認めなければならない現実の要請で判例法理が。

 

民法 (放送大学教材)

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  • 作者:円谷 峻
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

家族法 第2版 NBS (日評ベーシック・シリーズ)

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