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都市の地域集団(2) -ボランティア・NPO(都市と地域の社会学第10回)

友人がNPOを組織したりしているのでフォローが必要なのかなとも感じている。

 

原田謙。都市の地域集団、ボランティアやNPO。前回は伝統的地域集団の町内会や自治会。全戸加入の性格。限界と課題をめぐりNPOと町内会の連携が課題に。都市の地域集団のボランティアとNPOに焦点を。参加したことがある人や関わったことがない人。ボランティア団体やNPOの誕生の経緯や機能。戦後の社会運動。90年代後半以降にボランティア活動が盛んに。今日のNPOの意義と課題。企業や行政とのパートナーシップ、協働。
今日、保健福祉などの様々な活動が市民社会で。市民活動の歴史。生活環境の悪化などの深刻な問題が。60年代になると都市型運動や要求型運動が。都市型住民運動は、公害や建設反対など。国や地方自治体や民間企業への反対から自発的に。公共性とはなにかの問題。要求型住民運動。施設の充実を求める。新中間層。旧中間層に対して。具体的には専門管理事務などのホワイトカラー層。主に地方自治体との交渉が焦点に。革新自治体ではシビルミニマムという考えが。これらの住民運動は異議申し立てを行い世論に訴えることで市民の同意を図る。しかし問題が解決するかしないかすると急速に沈静化。69年の報告書。政府の施策やコミュニティ政策の元に。70年代後半になるとフェミニズム運動などテーマ主義の運動が目立つように。ヨーロッパではより早く、新しい社会運動。特徴として、運動の主体が女性やマイノリティの人々。イデオロギー性を帯びたものではない。アイデンティティを問い直す。個人の自発性に基づき参加が重視され個人の緩やかで水平的なネットワーク。日本では大都市郊外を中心に展開された生活共同運動に。組合員数の増加。生活クラブ生協。生産過程も視野に入れた生活者運動。予約共同購入。女性ネットワークを基盤に様々な活動が。石鹸運動。環境汚染の加害者でもあるという問題意識。ライフスタイルを少しずつ変える。経験を経て女性たちは議会の中に反映させる仕組みが必要だと気づく。地方議会に。代理人運動。消費や生産だけでなく暮らしやすくするためにワーカーズ・コレクティブ。自己資本自己管理自己労働。国産食材に拘るお弁当作り。家事援助などの助け合い。今日のボランティアNPOに繋がる先駆的な。80年代後半から高齢化に伴う生活問題。福祉ボランティア団体などが数多く生まれる。在宅福祉サービス。サービス提供者などの相互の助け合いの会員制。非営利。有償。家事援助を始め訪問型。デイサービスなど通所系なども。継続性の観点からは無償では限界が。共に会員になる。住民互助からから社会福祉協議会が、農協が。生活協同組合やワーカーズ・コレクティブが運営。中高年女性がメイン。子どもを巡る教育問題においても教育力が問われボランティアが問題解決に。自らの地域社会での街づくりの意識。高橋優越。特定の目的で集まる小集団が柔軟な活動をする自由活動型。ソフト面だけではなく都市計画のハード面でも重視されるように。92年に改正された都市計画法。市町村の将来像を明確にするマスタープラン。住民の意見を反映する措置が義務付けられる。ワークショップの開催など様々な住民参加を。
ボランティア活動の活発化。阪神淡路大震災。200万以上のボランティア。多くが若者で未経験。技能を持たないボランティアも多かった。なぜ若者は神戸に行ったのか、若者の疎外感や生きづらさが。活動自体は震災以前から展開されていたが。行政機能が麻痺した中での活動は大きな意識の変化を。防災の観点から。ボランティア元年。若者の非日常的なエネルギーをどう活用するかが。都市的生活様式。家族の諸機能が行政商業サービスに移行する生活の社会化。教育機能は学校他に代替。介護も訪問通所サービスの利用や福祉施設の利用。大都市は様々な専門機関が集積。生活問題の解決処理は専門機関の依存して地域社会の役割は低下。生活の社会化。家族の機能が弱まる。子どもも含め生活が個人単位に。生活の個人化。家族の成員というより個人単位で生活。子どもを持たない夫婦や独身のライフスタイル。長寿化に伴い配偶者に先立たれた高齢者のように一人暮らしを。様々な領域における専門機関の充実で家族生活に頼らなくても生活することが可能に。私生活を公共に優先する。都市的生活様式の深まり。生活領域において人々の人間関係の希薄化や役割の喪失。専門処理システムの限界。依存が進み逆にサービスに頼れない問題があるのではと気づく。新しい共同生活としてのコミュニティ。地域社会の問題解決機能が問われる。ボランタリーアソシエーションが。人々が自由対等の資格で自由意志で参加する民主的共同組織。社会や個人を媒介する中間集団の役割。システムが隅々まで浸透し人間関係を希薄化し私生活重視の現代社会において連帯を維持し市民的自由を。都市的生活様式の文脈から言えば、ボランティア団体は地域社会において媒介する中間集団としての役割を。生活の社会化などの都市的生活様式に対するオルタナティブな生活様式。従来のようにボランティアを道徳的に見るのではなく自己実現や社会参加の追求を。広がりの背景。制度面でも98年に特定非営利活動促進法、NPO法が制定。多くの団体が法人格を取得しやすく。社会的信用を高める。任意団体では代表者が個人で契約することが多かったが法人格で相続の問題が解消する。介護保険制度により在宅介護サービスの指定者にも可能に。法人化が進む事業者として。予算規模を拡大させたNPOも多い。営利企業を始め社会福祉法人などとサービスを競うことに。NPOの概念。日本では3種類。特定非営利活動法人。活動分野を問わず自発的に結成する市民団体。日本の社会福祉法人などの営利を目的としない組織全般を。NGO。民間の営利を目的としない。環境NGOなど、政府と独立した国際的に活動する組織を指す場合が多い。民間の組織であることを強調。16年3月現在5万を越える数のNPO団体。市民活動の活発化にも繋がる。活動分野。保健医療福祉。社会教育。街づくり。子どもの健全育成など。町内会や自治会とNPOの関わりも増える。新住民と旧住民。反発も少なくなかった。NPOと町内会の連携が実績の積み重ねで可能になる。
現代社会の中でのNPOの位置づけ。第3セクターとしての。政府機関ではなく民間でも非営利。セクターという見方それ自身が存在意義を高める。地方自治体と民間企業が共同して立ち上げた組織も第3セクターと言うので注意が必要。市場の失敗。神の見えざる手による市場メカニズムは適切に機能するとは限らない。民間企業は財やサービスを採算が取れなければ提供しない。政府の失敗。政府が需要全てに対応できるとは限らない。肥大化した行政組織のサービスは非効率になりがち。画一化も。どのようなパートナーシップを?かつての企業の社会貢献。利益の一部を慈善団体や財団設立などを。日本においてもフィランソロピーやメセナが定着。90年にはワンパーセントクラブが。企業の社会的責任、CSRが問われる。地域社会への貢献が求められる。戦略的に社会貢献活動を。CSRの観点から企業の評価に関わる。企業という組織レベルだけでなく個人レベルで職業で培うスキルを。NPOに対するブロボノ。社会的意義の再確認。パブリッププライベート。公共サービスを。新しい公共。縦割り行政の是正。財政破綻を防ぐ。地域社会での問題解決のための協働。NPOの事業に物品費などを行政が補助。モデル構築のために意見を求める。自治体が特定の課題に絞る場合と絞らない場合と。NPOと行政が協定を結んで。共同事業を進めるためにNPO支援センター、NPOサポートセンターという組織が。こうした部署には様々なNPOを繋げる結節点としての機能が。地方自治法の改正で指定管理者制度が。NPO法人もスポーツ施設などの管理運営に関する権限が。実際は財団法人や民間企業の方が遥かに多いが。NPOには安定した財源が確保でき信頼性が向上する。サービスの質の向上や経費削減にも。NPOが行政の下請けになる危険性がある。理想と現実のギャップを埋める。

 

社会的ネットワークと幸福感: 計量社会学でみる人間関係

社会的ネットワークと幸福感: 計量社会学でみる人間関係

  • 作者:原田 謙
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2017/01/17
  • メディア: 単行本