ボランティア団体に属することは自分の違う側面を発揮するのにつながるかもしれないと思う。
-----講義録始め-----
人的資源管理はボランティア団体や共的セクターにおいて独特のアプローチが必要であり、それは私的セクターや公的セクターとは異なります。ボランティア団体は、主に連帯感からの助け合い活動に基づいています。古典的マッチングモデルを超えて、ボランティアは自身のミッションと戦略に沿った奉仕活動を行います。また、財サービスの受け渡しも異なり、互酬の原理に基づいています。組織の理念の理解は対話や言葉を通じて行われます。
ボランティア組織は参加者自身によって運営され、一種のアソシエーション組織と言えます。階層が分権化されており、どのように協力して働くか、協働するという観念が重要です。そのため、個々の参加者が社会的意義を重視し、共感を覚え、協力したいと思うような活動が求められます。
例えば、コミュニティ・カフェは高齢者などが社会と接点を持つ場となり、住民の居場所として街の活性化に寄与します。サラリーマンの定年後の問題を考えるとき、高年齢化が進む社会で、地域に縁が薄いままの人々が得意なことで活動をする場が必要です。
NPO法人といったボランティア団体の形態は、理事幹事10人以上の社員を必要とします。運営にあたっては、仲間として仲良くやっていくことが大事で、連帯と互酬、参加と分権を重視する必要があります。また、ボランティア団体は強制力が低く、横の繋がりやフラットな関係が重視されます。
ボランティア団体は企業や行政とは異なり、一種の第三セクターとの関係を持っています。その中で人脈を駆使して、社会に対して働きかけることが重要となります。具体的な事例としては観光ボランティア団体があり、オルタナティブツーリズムとしてテーマ性のある観光ルートの設定などを行っています。これらの活動は行政の後押しを受けることもあります。
活動の可視化は社会経済資本の確保に寄与します。例えば、「横浜経済新聞」はボランティア活動の可視化に貢献しています。これらの活動は様々なリソースの確保を可能にし、参加と分権を重視した人的資源管理の実現につながります。