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退職・有期雇用の法理(雇用社会と法第13回) #放送大学講義録

無期雇用と有期雇用の差は無くなっていくのかもしれない。

 

 

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-----講義録始め-----

 

解雇と退職の法的問題

解雇には正当な理由が必要であり、その理由の立証も求められる。労働契約法19条により、雇用関係の消滅に関するルールが立法化されている。しかし、退職に関する問題も多く、発言が退職を強要するものか、解雇とみなされるのか、合意解約の申込みと言えるのかなど、多岐にわたる疑問が存在する。特に、出社拒否が無断欠勤に過ぎないのか、解雇告知のルールが明確でない点、退職の強要や自己決定権の侵害に関する事件は増加しており、職場環境の整備が必要とされている。

辞職と合意解約の違い

辞職は労働者の一方的な意思表示によるもので、通常2週間の予告期間が必要。一方、合意解約は労使双方の合意が必要で、労働者からの申込みに対して使用者が承諾する形となる。承諾しない場合、解約の効果は発生しない。また、意思表示に瑕疵がある場合、それは無効となる可能性がある。この瑕疵には心裡留保や錯誤、詐欺や強迫などが含まれる。

有期雇用の法理

有期雇用は、労働者と使用者との契約によって期間が定められた雇用形態を指す。労基法14条により、最長3年が原則とされているが、期間途中の解雇は原則として不可。しかし、期間満了時の更新拒否については、過去の判例を通じて解雇法理が類推されることがある。特に、有期雇用者と無期雇用者の間の差別に関しては、期待保護の観点から合理性が問われることがある。また、有期雇用者の解雇に関しては、入口規制や出口規制、無期労働契約への転換などの問題が考慮される。

解雇の法理の類推

整理解雇の場合、相対的な整理解雇事由が考慮される。有期雇用者は距離が疎遠で身分が不安定とされるため、整理解雇の際に優先的に解雇される可能性がある。また、定年後の高齢者の再雇用や継続雇用制度の導入、定年の廃止など、多岐にわたる問題が存在する。

この講義の内容を通じて、解雇や退職、有期雇用に関する法的問題の複雑さと深刻さが伝わる。それぞれの概念や法理に基づく判断が、実際の労働現場での問題解決にどのように影響するのかを理解することは、労働者や使用者、さらには法律家にとっても重要である。