企業と家族とで優先順位は違うのを知る。
-----講義録始め-----
これを基盤に、リスクマネージメントプロセスの詳細を解説します。リスクマネージメントプロセスは以下の段階から構成されています:
- リスクの分析
- リスクの評価
- リスク処理手段の選択
- リスク処理の実行
- リスクマネジメントの再評価
このリスクマネジメントは、マネジメントの基本形であるPDCAサイクルまたはPDSサイクルに従います。PDCAの「P」は計画、「D」は実施、「C」はチェックや点検、そして「A」は改善を意味します。一方、PDSサイクルの「S」は再評価です。要するに、計画、実施、そして評価・再評価のサイクルを経てリスク対応が行われるのです。
この過程で、リスクの分析や評価の妥当性、選択されたリスク処理手段の適切性、チームメンバーの役割分担や対応、そしてリスクが安全に管理されているかなどを定期的に見直すことが必要です。問題点があれば改善し、継続的なサイクルとして次のリスク対応に進むことが求められます。
リスクの分析の段階では、リスクの発見や同定を行い、その重要度を見積もることが大切です。これには、リスクの起こりやすさや影響の程度を考慮し、量的・質的な見積もりが行われます。詳しい手法や具体的な作業については、参考教材を参照してください。
また、情報収集や処理もこの過程で重要となります。例として、リスク一覧やリスク評価シート、リスクマップなどのツールが役立ちます。
次に、リスクの評価の段階では、既に得られた情報を基にして、リスクの影響や重要度を考慮します。生活者のリソース(時間、お金、人的資源)は有限であるため、リスクへの対応には優先順位が必要です。例えば、企業経営者は、大きな影響を持ちながら発生頻度の低いリスクを優先するかもしれませんが、現場では頻繁に発生する小さなリスクを優先することが考えられます。
生活の文脈で考えると、家庭や個人は、限られたリソースや不可逆性の高い出来事に対してリスクを慎重に取り扱う必要があります。例として、家族の死など取り返しのつかない出来事に対しては、頻度が低くても優先順位を高く設定することが考えられます。