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スクールカウンセリング(心理カウンセリング序説第12回)(1)#放送大学講義録

スクールカウンセラーが学校に居るのが、私の子供時代と違うところだろう。

 

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-----講義録始め-----

 

スクールカウンセリングの制度的背景: 1995年から始まったスクールカウンセリングには、いくつかの問題点があります。全国の学校の約8割に臨床心理士などの専門家が配置されていますが、彼らは教員出身ではなく、臨床心理を専門としています。外部からの視点と専門性が、この制度の大きな特徴です。彼らは「良い意味での余所者」として、週に8時間勤務し、学校におけるカウンセリングのニーズに応じます。

スクールカウンセラーの役割と課題: スクールカウンセラーは、どういった場合に生徒をサポートするかの判断が重要です。少数の子どもたちとの関わりが、学校全体の変化につながることもあります。彼らは臨床心理学的なアプローチで深くコミットメントを持って取り組みます。主な仕事内容は、児童・生徒へのカウンセリング、教職員へのコンサルテーション、保護者への面接などです。スクールカウンセラーの存在が、学校が全体として問題を抱える子どもたちをサポートする力になっています。

スクールカウンセラーへのアクセスと課題: スクールカウンセラーへの敷居が高いと感じることがあるかもしれませんが、日常的な悩みも含め、さまざまな相談を受けることが大切です。普段から大人に相談することの重要性と、大人たちとの役割分担のあり方も検討する必要があります。外部の専門家であるからこそできることもあります。

主要な懸念事項: 不登校の問題は変わらず、2000年代に入ってからは、家庭の養育状態や保護者のメンタルヘルスの問題、家庭内暴力、離婚問題、子供の発達障害などが注目されています。医療機関との連携が十分ではない場合も多く、学校内の暴力やいじめ、犯罪被害に関する緊急支援も必要です。スクールカウンセラーは、これら広範囲にわたる複雑な事象に対応し、多様で困難な事例に取り組んでいます。