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地域福祉の主流化現象と現代的課題 #放送大学講義録(地域福祉の課題と展望第1回)

ーーーー講義録始めーーーー

 

2000年代の地域福祉の主流化

2000年代は「地域福祉の主流化現象」と呼ばれています。
この「主流化」とは、社会福祉、地方行政、地方自治、地域社会に関連する多様な課題が、地域福祉の枠組みの中で統合的に表現される現象を指します。

2000年に介護保険制度が施行され、地域での福祉サービス提供が制度的に位置づけられました。その後、2010年代には「地域包括ケアシステム」が国の政策として具体化され、さらに2016年以降は「地域共生社会」の構築が提唱されています。これにより、地域福祉を学ぶ者は、何を重視し、どの課題に取り組み、どのように社会に貢献できるかを改めて問われる重要な局面を迎えています。


圏域の概念

地域福祉理論の基本には「圏域」という考え方があります。
私たちの生活に必要な福祉サービスや公共サービスは、市町村(日常生活圏域)、都道府県(二次医療圏域)など、複数の行政的圏域に応じて重層的に整備され、体系的に構築されています。この圏域の概念を理解することは、地域福祉の実践を考える上で不可欠です。