幾つかの刑事事件の手続過程で、虚偽自白というものを被疑者がした。虚偽自白というのは聞き慣れないと思うが、話をでっち上げて自分が犯罪行為をしたという内容の話をすることである。そんなものはやらないだろうというのが普通の人の感覚だろう。しかし長時間に及ぶ取調べが連日続くと、終わって欲しいと痛切に思う被疑者は、取調官のシナリオscenario通りの詳述をやってしまう。犯罪行為をしたのでなくても。裁判官なら見抜いてくれるとも期待をしていることが多い。しかし現実には見抜けない裁判官も数あまた居る。再審で無罪を勝ち取る人間は何人か居る。日本の刑事裁判の宿痾である。日産のゴーン氏の取調べでも外国から批判をされている。