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武力紛争法条約発展史(国際法第15回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

国際法の発展は、国家による実践を通じて明確化されてきましたが、条約締結が活発化したのは19世紀後半以降です。

まず、1863年に設立された国際赤十字委員会(ICRC)の活動により、1864年のジュネーブ外交会議で「陸戦時傷病者保護に関する条約」(第一ジュネーブ条約)が採択され、戦時の傷病者保護の規定が初めて国際法典化されました。

一方、1899年と1907年にロシア皇帝ニコライ2世の呼びかけで開催された第1回・第2回ハーグ平和会議では、軍備制限や戦闘手段・方法の規制を定めるハーグ平和条約(ハーグ陸戦条約)および付属のハーグ陸戦規則が採択・改正され、交戦法が体系化されました。

その後、1899年のハーグ陸戦条約付属規則(陸戦規則)に捕虜取扱いの規定が盛り込まれ、1929年には「戦時捕虜の待遇に関する条約」(ジュネーヴ条約第三条約)が採択され、捕虜保護規定が体系化されました。

20世紀前半、一時期は戦争の違法化が進んだため武力紛争法(国際人道法)への関心が薄れましたが、実際には紛争法の重要性はむしろ増大しました。1949年には国際赤十字委員会の尽力によって以下の四つのジュネーブ条約が採択されました。

  1. 陸戦時傷病者保護に関する条約

  2. 海上傷病者・遭難者保護に関する条約

  3. 戦時捕虜の待遇に関する条約

  4. 文民の保護に関する条約

これらは、赤十字条約の原則を拡充・発展させるもので、戦時国際法に人権保護の考えを取り入れた画期的な規定です。

さらに、1977年には国際的武力紛争を対象とする第一追加議定書および非国際的武力紛争を対象とする第二追加議定書が採択され、現代の武力紛争法は次の主要法令から構成されています。

  • 国際的武力紛争:ハーグ陸戦条約およびその付属規則、第一・第三・第四ジュネーブ条約、第一追加議定書

  • 非国際的武力紛争:全条約共通第3条および第二追加議定書

これにより、武力紛争中の戦闘手段・方法の規制と戦争犠牲者の保護が一貫して国際法上で規律されています。