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精神科治療(2)(精神医学特論第14回)

Interviewが示唆に富んだ。

 

石丸昌彦。精神療法。言葉を介して精神に働きかける。サイコセラピー。心理療法。広く大きな意味で。そもそも言葉を媒体として関係を作る。励ます忠告する相談にのるという営みが。高度に分化した精神療法にも。精神分析療法と行動療法。来談者中心療法。サイコセラピーの技法は様々。精神科の診察診療の中の精神療法の要素を。
診察という行為そのものに精神療法の要素が。診察に勇気とエネルギーが必要。患者は期待と不安で緊張している。自分に一定の時間を割いてくれることがすでに効果を。治療という制度枠組みそのものの。プラセボ効果。主治医を処方する。大きな安心感を。3つの要素。見立て、診断。先ず診断を、それに基づき治療を。間違っていないが截然と別れては居ない。むしろ一体のもの。色々質問をして。希死念慮を聞かれて、分かってくれると患者は思う。迷い込んだ迷路から出口を。傾聴と受容。カウンセリングの技法。傾聴の大切さ。批判なしに受容する。ロジャーズ。精神科臨床でも重要。傾聴受容に修正を。統合失調症の急性期の患者。傾聴するだけで解消されるのは望めない。疲れさせないように患者に話させすぎないことも。見立てがないと掴めない。精神疾患を抱えていると緊急性がある場合が。精神疾患につき知識と理解を。心理教育の重要性。性質や予後などを的確に伝えて理解してもらう。パニック障害などでは本人に何が起こったのか不安に。程度の差はあるがどの病気にも。コメディカルスタッフもサポートを。
ゲスト。白石ひろみ。79年に医学部を卒業。精神障害者と家族の地域社会の支援を。精神医学と法との関わりや人権問題。多数の著書。統合失調症の患者と家族の支援。最初は卒業して勤め始めた病院で患者の母親に話を聞く。外来に来られて、娘が作業所に来ないと。ケアに結びついていない。家族への支援を。家族の方の勉強会で講師として指名され、何回か勉強会を。2000人以上の希望者が。とても家族の方が困っていると。96年にお誘いを頂いて研究所に。切実なニーズがあった。精神障害は統合失調症だけではないが、家族支援では1つのテーマ。辛さ。急性の時期と慢性の時期で病態が異なるのが特徴。幻覚や妄想。表情が強くなればなるほど本人の病識がない。通院ができにくくなる。進んで病院に行かない。どうやって治療につなげるか苦労する。慢性の時期。症状が出ていないにもかかわらずもとに戻らない、家で暮らすことが多い。患者が家に居ることで家族もストレスや悩みを。生活技能の低下で出来ることが困難に。中学高校の頃に発症、治っても達成課題がないので社会人としての課題が多すぎて困難に。医療からはみ出す問題と切り捨てるのではなく、自分の課題として。医師としての課題。元々は脳に障害が。病気として。医学は生物学的な異常に対して治療を。脳の病気ではあるけれど、心理的社会的に影響が。現実には元に戻らない。どうやって行動するかが問われる。精神科医は医者の端くれだが、投薬治療が必要な一方で社会的な面も看過できない。それが統合されて。社会モデルが。医師だから患者を良くするのが立場。なかなか難しい。患者がストレスに弱い。直接的な指示を与えるとかえって悪くなることが。良くするのではなく、今のままでも良い、そこから出発すれば良いと理解してもらえるよう話をする。医師主導で良くするのではなく、現状を受け止めて良くなろうとする力を育てる。1回の診療は長くないが、悪いところを指摘するより笑って終わる診察を。心理療法。広い意味での精神療法の原則。90年代前後。52年の発明で統合失調症は「治る」、コントロールできる病気になったが、環境整備は遅れていた。統合失調症という病気自体は今のような形になりつつあった。最初の内は薬を飲めば良くなると楽観的だったが、そうでないことが分かってきた。サイコソーシャルにも働きかけなければならないと言われるようになる。ストレス脆弱性。統合失調症の真理モデル。母親の。ダブルバインドというモデルが否定をされたのも80年代。再発を防ぎながら生活を支援する流れが確立できていった。心理的な部分やストレスの低減を様々な支援で。積極的な生活の支援を。日本の場合は入院患者が多くて、声はあったが思うようにいっていない。統合失調症は大きなテーマ。軽症化も言われているが。研究結果を見ると入院を要する病気だというのは60年代までの発症者。それ以降の方は入院をしなくなっている。再発も少なくなっている。統合失調症全体としては初めから外来で治療を受け生活しながら。病気は支援が行われなければ悪化することもある。支援が届かないような方の場合には今まで通りのきちんとした対応が必要。統合失調症の患者は様々なことを教えてくれる。精神医療全体に活かさなければならない。問題点。病院で入院治療を受けて貰う時に配慮が必要。患者にとってはどのように映るかを考えなければ。患者からみると人生が終わったと感じてしまう。身体拘束。悪いことをしていないのに。必要があってしているけれど、長い目で見ると治療効果が得られないことも。医療提供側が気持ちに配慮して出来ることを。医療行為につき患者が思うこと、共感的理解。精神療法の意味は?脳に影響が。生物学的治療。薬物療法だけで治るのかと言えばそうではない。ちゃんと説明をする。病気一般の説明。効果に繋がる。精神療法は特別な治療でなく、説明し理解をしてもらうことが出発点。自分の状況について否定的にものを見るのではなく、コップに水が半分あるという肯定的見方を。支持的サポーティブな。一緒に治療を進める、支える。精神医学や精神科医がどのような役割を期待されているか。精神科医は患者や家族の思いにしっかり応えていくこと。一人ひとりの思いに応えられているか。同じ病名で重い人にも対応をする。制度も整ってきているが、必ずしも3ヶ月でよくならないと手放すようなことをするのはどうか。メンタルヘルスの時代と言われて患者も増えている。五大疾病の中にも入っている。国民全体の精神的な病の防止を。為すべきことは非常に多い。患者とは一生の付き合いに。
患者や患者と共に歩む。家族支援を思い立つ。地方の病院。何十年越しの患者の見舞いに。入退院を繰り返す娘に心を砕く父親。松原竜一。30代で亡くなられる。統合失調症の急性期の困難と慢性期の困難。よく理解を。統合失調症は脳の変調だけど、心理的社会的なことから。バイオソーシャルな視点。現状を受け入れて、それでいいという指示を。治っていくのを支える。共に歩んでいく。良かれと思ってしたことでも患者がどのように体験したかを。念頭にあったのは強制処遇の問題。手続きを踏めば良いのではない。コップに半分の水が残っている。加点法と減点法。そういう認知の積み重ねが認知の変化に繋がる。Interviewから宝物を。15年に1冊の本を翻訳。スティグマ。stigmaの害悪。これを克服する。「パラダイムロフト」。

 

精神医学特論 (放送大学大学院教材)

精神医学特論 (放送大学大学院教材)