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もののやりとりと社会関係(総合人類学としてのヒト学第11回)

地域通貨は導入をすれば面白いかもしれない。

 

深山直子。もののやりとり。ものを贈ること、贈与の約束事。もののやりとりと関係性を。市場交換の特異性。
改めてものを贈ることを。しばしば行われる。お中元とお歳暮が慣習として。年中行事はしなくても、結婚出産死去で金品を。より親しい関係なら誕生日や入学などの機会にも。わざわざ他者に贈与する?モース。贈与は普遍的に見られる。贈ること、受け取ること、お返しをすること。ある程度決められている。他者から贈られた場合は受け取ることが決まっている。贈られっぱなしではなく自分が贈る側となってお返しをする。贈る側贈られる側。安定が図られる。日本では親友が結婚するときにはプレゼントを。知っておきながら何も贈らなければ?必要としていなから受け取らなければ。内祝いを返したり数年後に祝の品物を贈らなければ?1つでも守られなければギクシャクする。贈与には社会を円滑に。特別なこと、日常の何気ないことにも。レヴィ・ストロース。就職時に相席になった2人が昼食にワインを注ぎ合う。日本でも隣り合う者がビールを注ぎ合う。同席の者で贈与が。2人のグラスには変わらない飲み物が。行為自体は社会的関係を。贈与という行為は社会関係で重要。
次に贈与の感情的側面を。受け取ることは喜ばしいこと。得をしたから単純に嬉しい?贈る側に申し訳無さが。贈り物を受け取る際にお礼と共に恐縮ですなどと添える。負い目を表す。贈る側は1種の優越感を。貸しや借りを。優劣のある関係に。お返しをする動機に。借りを精算して関係を戻す。アメリカの先住民の世界。トトラッチ。主催者は宴会の場で大判振る舞いして金属製品などを気前よく贈る。先の主催者を招いて贈り物を。負い目を負わないように贈与合戦に。当事者たちは対等な関係、ライバル関係に。劣位に立たされ対等にならない。贈与合戦が加熱すると贈り物の破壊に及ぶ。執着がないという表現。気前の良さをアピール。贈られたものを破壊するのは非合理的?しかし当事者がものを失えばそれだけ地位が上がる。ものの内容や価値だけでなく、関係での人の位置が問題に。
ものをやりとりすること。贈与はお返しするという約束こと。双方向的な。交換という現象。互酬性。社会関係に影響する。社会関係によりもののやりとりの仕方が変わる。親しい間柄で物が送られる。お返しはさほど意識されない。母がケーキを買ってくれた場合、負い目はないのが普通。母親もお返しを期待しない。社会的距離が近いと一方向的に近い。社会関係があるが距離があると、お返しが意識される。香典には香典返しが。快気祝い。贈与ではお返しの内容や方法について決まり事が多い。社会的距離が離れていると贈り物はなく最大限の利益を得ようと。略奪や詐欺。サーリンズ。3つの互酬性。一般的、一般化された、均衡的。もののやりとり、交換は社会関係など。ポランニー。多側面と絡み合う。人による物の交換。社会統合の。対等な社会関係。相互的な互酬交換が。階層性が発達して無く平等な。獲物を取れた人がシェアリング。長いスパンでは互酬交換に相当する。3者間でも成り立つ。権威や権力が集中。集積されて中央から拡散する、再分配が。首長制や王政が。平常時には納税という形で納める食べ物が、祝祭時に振る舞われる。市場交換。自分が欲しいものと相手が手放せるものを交換。物々交換など。交換の当事者が対称的か非対称的か。市場交換は違う。食パンを購入する。売買以前に社会関係は前提とされないし、関係も築けない。2者が納得すればよい。前提条件でも結果でもない。別のスーパーが安ければそちらに。埋め込まれていない、相対的に低い。社会の発展と結びつけて。市場交換は近代以降で支配的。だからと言って市場交換だけしかないのではない。お中元とお歳暮。結婚祝いや香典は存在。納税するのは再分配。現代でも自己の利益を最大限にするためだけに合理的に。経済人として理解するには限界がある。宝石が落とされていたら嬉々として持って帰る?ただより怖いものはない。何事もない様も含まれる。ただは失うものが大きい。お返しという贈与の法則に反する。社会関係で考えると自分の得にならない。複数の原理が併存。
物を売買する。歴史的経緯と現在。市場や市場など特化した場所で。特定の場に限定されない物々交換が起源。芋や魚を物々交換。しかし確率は低い。交換のために多様な物が集まる場が発達して市場に。村のような共同体の端っこや共同体間などで。文化が異なる人が幅広く集まって。より緻密化したものを市場とする。市場が開かれて芋を持ってきたとしても、魚が来ないことも。芋ではなく布を欲しがることも。マッチングが上手くいかない。交換する種類が合致しても、分量が少ないと納得しないことも。納得の上で物々交換に至るのは容易でない。貨幣を間に置く。媒介として。手放した物を貨幣に交換。売ったり買ったり。欲しい際に持っている必要がない。貨幣経済は物々交換に比べて成立がしやすい。貨幣経済は社会に埋め込まれている度合いが低い。言語も慣習も異なっても売買は容易。経済活動は飛躍的に拡張する。貨幣の機能。支払機能。対価として貨幣で支払う。ありとあらゆるものの交換。貯蔵機能。価値尺度の機能。芋と魚では比較が不可能だが、貨幣に置き換えることで判断できる。異なるものの価値を測ることが出来る。色々なものが貨幣として。穀物など価値があるものを。実物貨幣。仕組みが浸透すると分けたり運ぶのに都合が良いものが。名目貨幣。硬貨や紙幣は何も印が無ければ価値はない。にもかかわらず手に入れたいのはあらゆるものと交換が出来る。交換可能性は国家が保障。貨幣への、国家への信頼が裏切られることもあるが。名目貨幣を介した経済は信用があってこそ。例えばオセアニアのヤップ島。円盤状の石が。貝貨もある。多様な制限がある。人は貨幣を発明して社会関係から切り離された交換が可能に。グローバル化。排他的関係にはない。毎朝同じコンビニでおにぎりを。そこでバイトをしている男性に好意を。顔を覚えて欲しい。二者には社会関係は伴わないが、少なくとも交換をきっかけに社会的距離が縮まる。貨幣経済を社会に埋め込む。農産物直売所。農家の顔の農産物。きゅうりとえのき茸。生産者の顔や氏名が。物を作った人々を考えることはそれほどなかった。情報が付された野菜を。生産者をイメージして想いを。人格ある人が立ち上がる。その野菜は美味しえれば探すことも。現在はインターネットを経由してものを買うことが。ネット購入。物理的な店以上に関係は構築されない。しかし最近は郵送された商品にお礼などの短いメッセージが。手書きのメッセージを見つけて人格ある人として。お気に入りとして登録することも。生産者販売者が売上を上げるのが目的。営業努力。経済的合理性。わずかながら人格を表す。ある種の社会関係の萌芽が。育つこともある。貨幣経済を社会に埋め込む。手塚治虫。04年のアトム通を。紙幣に馬力を単位として。地球環境への配慮などを。理念に沿ったProjectに参加することで貰えて、1馬力1円で使える。地域通貨。使用などが限られるが、ことや感情までも対象に出来る。社会関係の活性化などの効果が。
やりとりすること自体が社会関係を形成したりするのに重要なこともある。貨幣経済から社会関係が希薄化するのは一面的。社会に埋め込むことで交換の多面的性格を。

 

総合人類学としてのヒト学 (放送大学教材)

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  • 作者:高倉 浩樹
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本