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異言語としての日本語(2) -日本語の文法をつくる-(異言語との出会い第13回)

中学の国文法の授業で聞くと面白く感じられたかもしれないが、難し過ぎる?

 

滝浦真人。異言語としての日本語。日本語の文法をつくる。文法をつくる?言語の文法は初めからあるもので勝手に作るものではない?明治の日本語は標準語を作るところから。日本語の文法も作るところから始まる。分かりづらい?品詞の分類のようなことをすれば良い訳ではない。品詞の分類が難問。英語では構文の中で品詞が決められている。形容詞とは何かとの基本認識も一致しない。西洋の言語はギリシア語やラテン語の伝統が。日本語はEuropaの言語と一々違っている。日本語のための文法が無くはないが、西洋に比べて大雑把。分析には向かない。明治の文法家たちはこのような状況で課題に取り組んでいった。
文法とは何か?随分と遡るが。話全体が最初に触れたときにはピンとこない。文法体系を如何に立てるか。唯一の正解はない。振幅が大きいが共通点が。初めて問題が分かる。ヨーロッパ語について文法が何を指すのかが分かること。品詞という言葉。名詞や動詞など。分類の引き出しに入れるのは難しくない?文法はそれだけではない。英文法の教科書。確かに品詞。助動詞などの章がある。覚えれば良い?しかし分からない感覚。外国語の壁に。英語の場合は?例えば冠詞。定冠詞や不定冠詞。名詞を使うときに可算名詞だったり不可算名詞だったり、単数形や複数形。何度練習しても最後の最後で分からないですねとネイティブに言われてしまうところが。最後になってよくわからないところが外国語の壁。時制。現在過去未来。完了形や進行形。掛け算で6通り。現在完了あたりで。仮定法。もし自分が鳥ならこの空を飛べるのに。しかしそんなことは一般に言わないだろう。英語の文法を理解する上で欠かせないエッセンス。ある種の単語を使うとに観点がスイッチになっていて。1つの値に決める。そうなっているときに文法範疇を。categoryの訳。わかっているかそうでないか、数えられるか。文法範疇のリストを。人称。格。極性。能動受動。直接法や仮定法。実際の文法書ではバラバラに混じっていて、読み進めていく。プラスチック片。1個の列車を作る。図形には決まった種類があるとする。角の丸い四角だったり。一つ一つの形の種類が品詞にあたる。次にプラスチックの図形には色を付けなければならない。選ばなければならない色が文法範疇。ではそれでプラスチックトレインが完成する?ここまでは部品の話だが、単語をつなぎ合わせるパターン。文型。統語規則。ルールブックにする。どのように作られていくか分かる。文成立論と呼ぶ。文法を作る3つの部門や要素が揃う。品詞分類論、文法範疇論、文成立論。3つの部門。それぞれの例でおさらいを。
日本語の文法の話。最も影響があるのは英文法。文法範疇論や文成立論を日本語でどう扱えばよいかが難しい。文法家の苦労が。文法範疇論。定冠詞や不定冠詞は日本語にない。日本語では文法範疇ではないものも。英語では人称が変わると動詞の形が変わるが日本語はそうではないので文法範疇ではない。動詞。どれかに決めなければならないかの線引が難しい。なかなか想像が及ばない。
初期文法研究。日本語という文法の意識を。大槻文彦。最初らしさがアチコチに。松下大三郎と山田孝雄。大槻文彦の文法は和洋折衷。江戸時代の後期になると国学が盛んに。本居宣長などの文法研究が。基本的に単語の分類学。4つの分類が成果。実質的か文法的か。活用がある言葉か変化しない言葉か。今風では内容語と機能語の対立。用言と体言。用と体。組み合わせると分かりやすい。用言の方の内容語。動詞や形容詞。活用しない方の体言の内容語。名詞や副詞。機能語。活用する方は助動詞。助詞。和の成果。洋の成果。英文法の品詞は8種類に。大槻文彦の分類と違う点だけ。助動詞やテニヲハがあって英語にはない。英語の代名詞。実質的に意味が無いわけではないが、文を作るときに主語としなければならない印。日本語にはない。前置詞。英語では前に来て後ろに名詞。日本語では逆。後ろに置かれる。後置詞と言ったり助詞と言ったり。助動詞。英語では助動詞は品詞ではなく動詞の下位分類に。機能語。助動詞と助詞が品詞として入る。問題があって、日本語では単独に言えない。品詞というからには自立して言えないといけない。日本語の助動詞や助詞は単語ではない?品詞分類の話。
文法範疇の話。助動詞とされた単語の例。現在過去未来、能動受動、肯定否定。幾つか入ってくる。日本語の場合。大槻文彦の場合は品詞分類論に取り込む。文成立論。大槻文彦の場合は西洋語の文法の成果をそのまま取り込む。文は主語と説明語が必要で、それらがあれば必ず文。述語とは言わないが。まずとにかく主語。日本語の文では主語と述語があると言えない。言わないのが自然。必須要素は述語の方。文成立論では大槻文彦は英語に引きずられている。大槻文法は品詞分類論に。
2人の強烈な個性。四大文法。松下大三郎。科学的才能に富んでいた。日本語のタイプライターを。非常に現実的に学校を作り中国人留学生の教育を。科学的で体系的。日本語以外の言語にも通じる大きな体系を。用語が難しすぎたが。実用志向。静岡の話し言葉の延長。01年に文法書を。話し言葉の文法を書く。文法は難解と言われる。とっつきにくい。上から眺めると整然としていて何を考えているかが明瞭になる。2つに枝分かれしている。3部門の。句の論を。トータル全体の中に3つの部門が収まっている。大きな図の枝分かれが固有的な働きと偶有的な働き。品詞分類論。右半分。偶有的。単語が専用でなく併せ持つ。一番下のレベル。肯定否定などの項目。文法範疇論を図にしたもの。まず大きく文成立論を別立てにして。文法範疇論が最も大きな部門になっている。全面に押し出したのは珍しい。理解されなかった理由でもあるが。日本語の文法範疇論は厄介。日本語にない項目がたくさんある。その上に表し方も違う。日本語にある文法範疇を。敬語など。待遇。敬語は文法範疇だとピンとくる?スイッチみたいになっている。何かを言おうと思うと常に決めているもの。待遇というスイッチはれっきとした文法範疇。見事な発見。西洋語にはない文法範疇を見つけたと喜びすぎ。日本民族のメンタリティに一足飛びにいってしまった。
山田孝雄。よしお。強烈な人物。国学を復興しようとした。一部としての国文学を。日本文法論が08年に。未だに一番厚い日本語の文法書?語論。品詞分類論に。文法範疇論は品詞分類論に吸収。句。ある思想のまとまりを。句論。2つに分かれる。述体。何かを述べる構え。喚体。呼ぶときの。違いは?述べているのが述体。つれないことよ、喚体。詩的な文章に欠かせないので大きく位置づけられる。何かについて述べる。主語と述語。係助詞。かつて本居宣長が係り結びと。1種の呼応。構えの典型例。トピックを立てて。「わ」というのは述語が立ち上がる力を。いわゆるポピュラー。be動詞が具体例。述語の機能が発動する力を持つ。卓見。文成立論に特徴がある。
観点を持つと面白い。

 

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