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認知症後期の食事支援の重要性を解説。摂食困難の原因を多角的にアセスメントし、心理士の役割を強調。認知症ケアチームの取り組みと有効なケア方法を紹介します。(保健医療心理学特論第8回)♯放送大学講義録

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後期になると、食事の支援が大きな課題となります。認知症ケアチームでも、食事場面に立ち会いながら、食べられない原因を検討することが少なくありません。摂食困難のアセスメントについて、再び看護師にお聞きしました。

「食事自体を認識しないとか、お箸の使い方がわからず食べないとか、手を止めてしまうことが一番の課題になります。それが認知症の進行だと判断されがちですが、いろいろな患者さんを見ていると、それだけで決めつけてはいけないと思います。生活全体をできるだけ元の状況に戻しながら、食事も進めていくことが大切です。ベッド上で食べるのではなく、可能であれば椅子に座って食べるなどの工夫が必要です。食べたくても食べられないのか、食べること自体を拒否しているのかを見極めることが重要です。そういう部分を心理士にも見ていただけると非常に助かります。」

看護師のお話のように、接触が困難になる背景には様々な原因があります。心理士としては、行動や心理的な要因を中心に見極めることが求められます。この時期には、人の表情を理解する能力が保たれているため、ジェスチャーや道具を見せながら穏やかに語りかけるなど、有効なケアの方法を模索します。

この時期の介入は、アセスメントであると同時に支援である場合も少なくありません。