このblogでも何回か書いたが、大阪梅田キタの雑居ビル火災で25人が犠牲になってから2ヶ月以上が経過した。火災安全工学を専門としている京都大学の教授が現場をシミュレートした研究結果を明らかにしている。ガソリンが床面に直径50センチの円状に広がったと仮定すると、着火してから15秒後にはフロアに煙が充満して天井から成人男性の背の高さ（180センチ）まで降りてくるということである。そして1分後には煙で視界が見えない状態になる。そして唯一の避難経路である非常階段の出口付近で火をつけたことから考えると、無事に脱出するのはほぼ無理であったという結論になる。せめてビルの反対側に避難経路があれば25人も死ななかっただろうと考えるが虚しい。現場のビルに入居していた英会話教室のスタッフは被害に遭わなかったが、その教室の移転先のビルは避難経路や窓が複数あるところにしたそうである。
