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博物館における連携(2):市民・地域社会(博物館経営論第11回)

京都大学総合博物館が出てきたことに驚いた。出身者として出来ることがあるのかもしれない。

 

平井宏典。奥本素子。地域社会。顧客として市民を中心とするステークホルダー。連携の意義。方法論。地域連携が重要。では何故現代的課題として取り上げられるのか。その背景。博物館の経営危機に起因する。90年代に予算は大幅に削減。欠如した経営資源を如何に補うか。民間からノウハウを。地域連携が。博物館の社会的役割の多様化。地域づくりの担い手として。観光や街づくりの資源として新たな役割を。一斜陽都市が美術館の成功するなど。成功例の報告も幾つかある。地域連携は資源の補完と新たな役割と。
地域連携の具体的なアプローチ。誰とどのように連携するかを明確に。誰と。経営学におけるステークホルダー。利害関係者。企業に関わる全ての人々。コーポレート・ガバナンス。企業統治の観点から。企業は誰のものか、企業の意思決定に影響を与えるステークホルダーとは?2点を中心に議論を。企業の所有者が株主であるという一元的な、アメリカの企業観。CSR。顧客や政府などの非金銭的な。企業市民。非金銭的関係者も。企業に関わる全ての。一元論から多元論に広がりを。多種多様なものを包含する。意思決定に影響を与える。博物館におけるステークホルダーとは?公立館が多数であり、株主に当たるのは納税者であり市民。収益性が低いので、設置主体の行政が資金面に役割を。原資は税金。博物館経営では入館者を重視してきたが、来館の有無を問わず全ての市民。博物館経営のステークホルダーの議論は、多様なプロフイールを持つ多元主義へシフトを。ステークホルダーについて、博物館の意思決定に影響を与える。博物館評価では重要な指標として来館者数が用いられることが多い。客観的なものなので指標として重要なのは変わりない。アンケート調査の結果にも影響を。幅広いステークホルダー観からみれば、潜在的な非来館者にアプローチする必要が。理由は非来館者の数が非常に多いということ。社会調査の結果から、日本国民が博物館を訪れるのは年間2回強。単純に全体の来館者数から算定したが、行動の選択肢に博物館がある人はもっと多いだろうけれど。行く人は頻繁に行くし、圧倒的に行かない人が多いことが推察される。非来館者は潜在的顧客。既に可視化された顕在的な来館者のニーズを得るのは容易だが、多数派である非来館者にあるシーズにも目を向けなければならない。把握が極めて難しいけれど。パイを拡大する姿勢が必要。来る人だけが来る施設にならないように。そして非来館者も恩恵を享受している。全く興味がない人もいるだろうけれど、非来館者であっても郷土学習などで成果が反映された内容を学校で学んでいることがある。無自覚的でも便益を享受する人は多い。博物館は誰と地域連携をするのか。市民を中心により幅広く地域社会に。
より具体的にどのように連携するのか。経営論における戦略的連携、ネットワーク、共創理論。戦略的連携。M&Aとは異なる。緩やかな企業結合。M&Aは異なる企業文化の統合というリスクを。自社開発は不確実性の高い現在において困難なことが。中間にあるのが戦略的提携。観光施設ではないが、専門性に立脚した地域の施設と独立的に活動しながら地域活性につながるように。ネットワーク理論。強靭であるべきと。しかし弱い紐帯の理論。会う頻度は少ないが情報の多様性が高くなる。TwitterなどのSNS。ネットワークの強弱は一長一短。共創の概念。企業と顧客という構造から転換を。ボランティア活動による関係性。共に創る関係。共創戦略は参加型プラットフォーム。新しい博物館の模索を。
地域連携の事例。北海道大学の奥本素子。昔からの研究仲間。教育工学的観点からミュージアムマネージメントを。教育に移したのは。鑑賞者開発という。来ない人をどのように開拓するか。物理的な問題というより心理的認知的障壁を。普段来ない人の負のイメージを変えたりする支援を。新しい鑑賞者の開拓にも教育の観点が必要。如何に来ない人を取り込むかが博物館経営では重要。経営からのアプローチか教育からか。展示教育というアウトプット。教育工学を専門にしていて提携の様々な面を。近年のトレンドや傾向は?博物館学のトレンド。教育普及プログラムの充実が話題に。九州国立博物館。約100年ぶりに。子供向けのプログラムが。楽しんで学べる。どのような体験が出来るかがポイントに。教育が博物館経営に関わる。博物館の地域連携について実践例を。理論を実践している。大阪の伊丹市昆虫館。10年ほど秋の。博物館の中だけでなく市内に展示を移し虫の音を。商店街を巻き込みイベントを。06年から。盛り上がる。虫の音を聴くのは文化的観点から。音楽だったり天体観測だったり。周辺の店舗や学校などが展示の造り手として。飼育をして育てた虫には愛着が。続いている背景には様々な観点から。市民を巻き込む。共創戦略を。目的には内部と外部が。内部指向性。自分の館のパフォーマンスを上げる。外部指向性。立地している地域全体の競争力を上げる。博物館自体に人が来なかったり儲からなくなっても最終的に博物館に資するところがあれば良いと。博物館に来てもらうよりも街全体が優美な環境に。外部指向性の高い地域連携。中心市街地から2キロ位離れているので近いとは言えないが、昆虫館にとっても盛り上がることで新たな人を取り込める。地域に広がるイベントにしていくことで。企画展で固定的なファンに来てもらうだけではなく。生態系や自然史系。他の館種でも。とびらプロジェクト。アートコミュニケーター。東京芸術大学など。人材育成プロジェクト。とびらー。館のリソースだけで育てるのではなく大学と連携。ワークショップなどを学ぶ。多様な学びを。大学みたいに。研修内容に偏りがあるのとは一線を画する。東京藝術大学に限らない課題。成人学習者がOECDで最下位。大学で学び直すハードルが高いが、それを崩す事例。生涯学習は知識獲得が中心だったが、教育活動に参加したり主体的なプロジェクトを。学んだ事項を活用する。プラットフォームのオープン化。共創戦略において参加型プラットフォームを。生産者も消費者も一緒になって。来館者も気軽に一緒に作れるプラットフォームが無ければハードルが高くなる。形式ばったものでなくてもコミュニティ空間などでも構わない。オープンさ。どれだけ公開されているかが重要。自分たち自身でアートプロジェクトを。単館では出来ない活動をして幅が広がる。東京都美術館。共に創っていく連携。取り組みが非常に制度化されている。弱い紐帯で広がり重視。とびらーという言い方の学びの場であり実践の場に強くコミットメント。どういう連携を目指すかでネットワークが変わってくる。企業と博物館の連携。京都大学総合博物館の展示。学術系の展示の場?硬派な?眠り展。文化人類学的なものだったり真面目なものだが、人類普遍の切り口。様々な企業と連携。ホテルで快眠グッズを。ワコールが下着を。CSRから企業活動に結びつくCSVに。企業の社会責任から、行動したことに対するものとして責任はNegativeなもの。最近は責任論を越えて社会問題の解決をビジネスとして。営利企業が本業として社会問題の解決に取り組む。CSVという取り組み。企業や博物館の提携が増えてくるかも。博物館の展示の切り口を身近なテーマから。鑑賞者開発になったり協賛相手にアプローチが出来る。参加型プラットフォーム。
日本の事例を。海外の事例は?アメリカのニューヨーク近代美術館。ノマ。14年にかけて認知症と介護する家族に対して。介護問題と向き合う。共同しながらプログラム設計が。主な支援者はネットライフ。今後連携プロジェクトを考えることは、文化振興の枠組みだけで考えないということに。イギリスで。ある博物館がコンピュータを使った教育プログラムを。失業者向けの給与プログラムとして労働省から支援。重要な点としては博物館の役割の拡大を考えるということ。最近は文化で稼ぐという観光の視点が。福祉であったり社会包摂であったり。社会との接続を考えていく。多様な主体と連携していくことは役割の拡大に、出来ることが広がる。地域連携を考えることで地域社会との連携を。共創という視点に立脚して新たな可能性に。存在意義の発揮が地域にとり重要に。

 

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