ーーーー講義録始めーーーー
変数間の関連に関する講義構成
第3のポイントである「変数間の関連」については、第7回から第14回にかけて、関連を明らかにするための分析手法をいくつか講義します。この場合、扱う変数の種類によって使用する手法が異なります。
クロス集計と独立性の検定
たとえば、「性別」と「賛否」の関連は、回答者をいくつかのグループに区分した2つの変数同士の分布を組み合わせて集計したものです。このような集計方法はクロス集計と呼ばれ、第9回と第10回の講義で詳しく解説します。
クロス集計については、母集団で関連があると言えるかどうかを判定するために独立性の検定を行います。また、その関連の強さを数値で示す指標として、クラメールの連関係数やφ(ファイ)係数といった統計量を使用します。
グループ間の平均比較と検定
回答者の特性が年齢や労働時間のように数値で測定される場合、グループごとに平均を比較する手法があります。第7回と第8回では、グループ間の平均の比較を扱います。
この内容では、標本データにおける平均の違いが母集団においても有意であるかどうか、すなわち平均値の差が誤差の範囲を超えているかを、以下の検定手法を用いて検証します:
- z検定
- t検定
- F検定
相関係数と回帰分析
第11回と第12回では、数量で測定された2つの変数間の関連の強さを表す指標として、相関係数を扱います。第13回では、数量で測定された変数間の関連性をさらに深め、一方の変数の値からもう一方の変数の値を予測する手法である回帰分析を紹介します。
応用的な分析手法
複数の要因が絡む場合、2つの変数間の関連を見るだけでは十分ではありません。この場合、第3、第4の変数を含めた複雑な分析が必要になります。以下の応用的手法を講義で扱います:
- 多重クロス集計(第10回)
- 層別相関と偏相関係数(第12回)
- 重回帰分析(第14回)
最終回と発展的学習
最後の第15回では、これまでの講義内容のまとめと注意点を確認します。その後、発展的な学習の一環として、多変量解析と呼ばれる手法について簡単に紹介し、講義を締めくくります。