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Webソリューションは使い手のハードに関係ない?

それなら苦労はしないのだろうなあと感じる。一般の認識なのかもしれない。何しろ当の「Webソリューション」の社長がこんな認識をしているのだから。

CNET Japan

Webってさ、CPUにいっぱいつながった既製品のハードウェアと、安定した電源と、豊富なメモリとハードディスの上に乗っかって、安定したブートローダが起動したカーネルとドライバとネットワークレイヤーの上に乗っかって、ビデオチップや速度のことも考える必要もない完成された描画環境と、MSやモジラが作ったブラウザという超リッチなアプリケーションレイヤーのさらに上の、モノの世界を考えなくていい世界がWebなんですよね。

壮大な釣り堀だなあと思う。後の文章では、ハードウェアの開発について書いていらっしゃる。その部分を読んでいるあたり、エンジニアとしてかなり鋭い方だと感じる。
それだと初めの辺りのこの部分も真面目に書いてはると思われるので、こちらも真剣に読むことにすると、突っ込むところが多い。
「安定した」が繰り返されている。そもそもハードウェアを「安定した」状態に置くこと自体が至難の技であるが、更にハードウェア同士の相性という問題がある。仮にデバイス本体に異常がなくとも、相互に連携が撮れないということは幾らでもある。何度かPCを組み立てたことがある人ならば、機器の相性に苦しんだことがあるはずだ。おまけにソフトウェアの安定性も依然として難関。Linuxの開発を振り返れば分かるはず。Windowsも同様だ。
前の段落のことは理解していらっしゃると思うけれど、問題はクライアントの側でも下のレイヤに左右されるということだ。電源の供給でさえ、必ずしも100%とは言えない。携帯の電池は無くなることがあるし、場合によっては交流電源がOUTになることも。そしてハードウェアやソフトウェアの環境はクライアントにより千差万別である。開発側で順調に動いていても、違う環境では全く動かないことも有り得る。もちろんクライアント側の問題もあるけれど、全ての責任を被せてしまっては商売にならない。

ブログだから感情論で書いたらしいけれど、ここまでユーザーの環境が想像できないのは如何なものだろうか。