受動性。

十数年前に私は神戸市の通信工事の会社に勤めていたことがあった。その会社では喫煙所が設けられていて、煙草を吸う人間は時々のように集まり雑談をしていたものである。それで私は珈琲を作り喫煙所まで行って、タバコの煙で溢れている中で雑談に耳を傾けていた。そうこうしているうちに、自分自身の欠点やら具体的な仕事の奥義やら役員への口説き方やらを話してくれたものである。喫煙文化は煙草を吸わない私にも益になるものであった。まあ副ばい煙の方が主流煙より害があるのも一面の事実であるのだけど。