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道徳授業の実践(2) -道徳の時間の指導過程・指導方法-(道徳教育の方法第10回)

杉原千畝については知らないことが多いかもしれないと感じる。

 

堺正之。道徳授業の実践。形態は共通面もあるが。
一般に基本形と言われる教育の実践。当初は生活主義の傾向が。次第に価値主義へと。文部省が64年から配布した道徳の指導資料。副読本の原型。読み物資料を用いながら授業を。ほぼ共通するスタイルが。基本形とされる。明確な定義は無いが。特質3点。導入展開終末の指導過程。教科の授業と同様に。1単位時間における明確性。一般の教科では単元という発想をするが、道徳の時間は毎時間の展開を大事に。発問による授業構成。各段階の発問の意図が際立つ。狙いが明確。展開段階においてどのような活動を。発問の類型化。生活化、実践化志向。基本形の特徴は価値と生活の結合。基本形の成立普及に。青木高頼氏。58年から20年余り文部省に勤める。道徳授業の展開に大きな影響。生活指導との相違を強調。一定の価値が優先する。生活指導では現象面。道徳では素材として取り上げた直接的効果を期待しない。生活指導では現象面が優先。多くの価値への展開を。掃除。整理整頓環境美化。勤労。道徳では指導への価値が優先。決まりの尊重によるもの、掃除への影響は現象的。決まりが一原因となる大きな行為へと。価値の一般化。掃除を素材とする資料。最終的に掃除以外の様々な場面においての決まりの意義。決まりに対する意識だけでなく、働くということについての考え方が根底に。掃除の場面が取り上げられる場合、狙いとの関わりで指導者が選択。あくまで狙いは決まり。掃除の問題に直結することは期待されない。様々な現象について振り返る価値の一般化。生活指導においては最終的には目の前の具体的な問題解決。道徳の時間が生活指導に持って変わるというのではない。掃除に関わる問題は子どもの認知的側面などに。生活指導でも道徳面が外になっているのではない。
基本形と呼ばれる道徳の指導過程。各段階の意義。基本的な学習指導。主な手立て。1回の授業で全てを用いるわけではない。相応しいと思われるものを採用。展開前段。発問構成の工夫。資料の活用類型。中心資料を扱う場合に。青木高頼氏。活用とは狙いの達成の手段。発問に着眼。道徳授業においては発問が鍵に。飼料活用の4類型。6000人の命のビザ。39年のリトアニアのカウナスの杉原千畝。ユダヤ人の為、ビザを発給し続けた。妻が執筆した著書のタイトル。教材が作成され副読本に。東京書籍からの中学校2学年の。教師用指導書。狙い。人間愛の精神を自覚し、人類の幸福を。世界の中の日本人の自覚。副読本の資料の朗読。40年。7月18日の朝。窓の外。日本領事館の建物を人の群れが。ポーランドから逃れたユダヤ人。通過ビザを求めて。選ばれた5人の代表と話し合う。何千枚となると外務省の問題が。電報を打つ。互いに眠れなかった。外務省からの返事は否。松岡外務大臣はドイツとの協力を進めようとしていた。第二の電報を。長文の電報。外務省の意向は変わらず。日本領事館にもソ連から退去命令を。外務省からも。カウナスに留まるのは危険なこと。幾日も悩む。家族の安全を考えるなら即時退去が最善だが、それが出来る人で無いのはよく分かっていた。内務省が治安上反対していた。私は外務省に背いて領事の権限でビザを。大勢の人たちの命がかかっていた。いざとなればロシア語で生きていくことはできるだろう。ナチスも家族にまで手を出さない。ビザを出すと群衆に。昼食を取らない。朝から遅くまでビザを。何日も続く。全てを手書きで名前に間違いがないように。痛い手を擦ると眠り込む。20日あまりも続く。ソ連からの退去命令が何度も。外務省からも退去命令も。気力だけで書き続ける。9月5日の早朝にベルリン行の列車にも。走り出すまでビザを書き続ける。戦後45年に帰宅。退職の勧告で職を辞する。48年に代表の1人が来日して再開を。年表なども掲載。資料として用いた道徳の時間。資料を通して価値の把握を。4類型の発問。あくまで例示。様々に考えられる。退去命令の中でビザを書き続ける。どの場面や行為に的を絞るかは変わる。取り上げ方も指導者により変わりうる。道徳の時間の指導案の作成を課題に。実に多くの内容項目との関連が。自立の精神。結果に責任を。暖かい人間愛。生命の尊さを理解し自他の生命を尊重。正義を重んじ公正公平を重んじる。様々な価値が。実際に授業を行って、平和以外の観点での発言が出てこなかったら指導者には不満が残るのではないか。授業を支えているとも言える。
道徳の時間に用いられる各活動。話し合い。他の授業でも中核。様々な発問は生徒の話し合いを喚起。自分の考えを深める。参加意識を高める。能力を身につけること自体が民主社会の必要性。異なる意見にも耳を傾ける。教科固有の活動。調べる活動。問いを作り道徳的価値を獲得。話し合い以外の表現活動。動作的表現活動と知覚的表現活動。役割演技。役柄を与えて演じさせる。場合によっては教師も加わり、臨機応変に問い返しを。登場人物の心の動き。即興的な表現。気づかなかったことに気づく。演技のための演技に終わらないように。子供にとっても教師にとってもトレーニングが必要。再現的動作。共感して生き生きとした感情を表出。自己洞察や人間関係の洞察。視覚的表現活動。心情図。言語的に表現する前段階の。表示割合を変化させたり。心の揺れなどを直感的に。ネームカード。賛成か反対か明確に。単に二分されただけでなく、直線上に貼ることも。全員がネームカードを貼れば、視覚的な状況を元にできる。道徳ノート。多くはプリントで配って書かせる。考えたことを書き記す。客観化や確認。話し合いの材料に。自分の考えや成長に気がつく。先生の把握にも。子供がしっかり考えて書く時間が必要。その後の授業で活かすことが出来る。質問に答えたりするなど個別指導を。教師からのコメント。交流を図る手立てに。子どもの様々な言語的活動を促す。08年の学習指導要領。行為の意図や思いを。各自の考えの根拠を。出された意見の共通点や相違点を整理する役割。自分なりの着眼点を。自分の意見の客観視。人間を見出す。話し合いでは多様な考えから論点を深める。道徳の時間において言葉は媒体であり、自分の表現。真理獲得や合意形成の。自己の表出。自分自身と言葉との確固たる関係を。道徳的価値の自覚を。自己の生き方などを深く考えさせる。言語活動の充実はこれからも重要なテーマ。

 

道徳教育の方法 (放送大学教材)

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