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経験から作る素朴概念(教育心理学特論第4回)

子どもたち一人ひとりに確認しながら教えていくのは大変そうだけど面白そうでもある。

 

三宅芳雄。齊藤萌木。経験から作る素朴概念。自然な学びが起こる場。学びは学校だけではない。日常生活で自然に学びが。普段は教室で起こる学びを。今日は自然に起こる学びを踏まえて。経験から作る素朴概念。人は生まれて間もない頃から規則性を捉える経験則を作る力を持つ。経験則を作り変えながら色々な。概念変化というプロセスは学ぶことの基礎。理科を学んだ経験の無い子どもでも支えが無ければ物が落ちるという経験則を。子どもたちの経験則は手を離すと落ちると、経験が多様化するにつれて経験則が深化する。学びの基本的なプロセス。子どもたちの概念変化。経験則がどのように作り変えられるか。科学的に正しい考え方と異なる面を。素朴概念という呼び方。世界の見方考え方に大きな影響を。教育の心理学でも重要。素朴概念を作り変化させていく子どもたちは自分なりの考え方を。理科で重力や運動について。素朴概念を元に考えることを。子どもたちが経験から作る素朴概念について知っておくことが必要。生物学天文学物理学の研究。概念変化がどのような示唆を。経験から作られる素朴概念について具体的なイメージを。
生物学での素朴概念。小さな子供は身近な動物植物に興味を。花やペットに話しかけたり。幼児が生物や無生物、動物や植物について大人と違う考えを。花やペットにも話しかけたら通じる、人間に通じるものがある?区別が曖昧?どんなふうに区別しているか、どのように予測しているか。稲垣と波多野。生物分野での素朴概念を詳しく研究。頭の中を調べるのは簡単ではない。うさぎ、チューリップ、石について質問をして、どれくらい人間になぞらえているかを。素朴概念の実体に。生命現象、生きているならこういうことが起きる。成長阻止。水の過剰摂取。自発的回復。水の欠如。この4つについて質問。成長阻止。赤ん坊のうさぎやチューリップや小さな石について、このままにしておきたいが出来るか、それはなぜか。大きくなっちゃう、人間になぞらえているか。お花は変わらない。人間になぞらえてない。調査の結果。初期の発達心理学では幼児は全ての人間のように、花や石にも心があると。稲垣と波多野の調査は違う。生物と無生物を区別していて、人間と似ている程度や対象の理解を踏まえて。子どもたちの回答傾向を表に。うさぎに関する質問。75%が人間になぞらえた。チューリップになると63%に。石については居なかった。例えばうさぎがぐったりしているときに人間と同じように元通りになると思う子どもは居たが。ちゃんと区別をしているらしい。うさぎを人間となぞらえるときも、うさぎが出来る範囲に留まっている。オリに入ったうさぎを。20人中7人が人間になぞらえている。オリの中で暴れるなど出来る範囲のことを。人間にしか出来ない反応をするとする子どもは居なかった。素朴概念でもデタラメのものではなく筋が通っている。素朴生物学という知識の体系を作っていてもっともらしい予測をしている。人になぞらえていることはしているが闇雲にでもなく、経験から自分なりの理屈を作ってそれに沿って考えている。
天文の領域の素朴概念の研究。子どもたちが日々の経験を通しての素朴概念が筋が通っているものに。変化させていく際に科学的概念をどう受け入れるか。現代の子どもたちの日々の生活の中では誰かから話を聞いたりテレビを見たりして。素朴概念に影響を与える?素朴概念は科学的概念に変化することがすんなり起こる。小学校の児童の地球の概念。外国の研究。地球をどんなものと。地球はどんな形を、殆どの子どもは丸いと。地球の何処に住んでいますか、などの質問を。地球の中の平らなところ。地球の端について落っこちる。月は地球のずっと上の方にある。大人が見ると矛盾している。科学的概念との出会いが。理由について、子どもたちが科学的概念を情報として受け取っていても日常の経験と関係づけられていないと。子どもたちは地球が丸いと科学的情報を。半面、地面が平らなどと。合成モデルを形成している。矛盾を上手く説明できる。大人から見て矛盾した結果が。合成モデルとは?素朴概念に初期モデル。科学的モデル。双方を説明できるモデル。2つの地球モデル。地球とは別に惑星として別の宇宙が。空洞球体モデル。太陽や星は外になる場合と内部に入っている場合と。平らな球体モデル。押しつぶされて平らになった部分に人間は住んでいる。自分たちが住んでいる地球とは別に天体としての地球があると考えれば、日々の経験則の双方を説明できる。合成モデルを持っていると考えると回答の矛盾を説明できると。地球に関するいろんな回答から分析。60人中、49人の回答が想定されるモデルの中にあると。ほぼ半分が持っていたのは合成モデル。小学生では2つの地球があると考えている子どもが半分くらい居た。更に年齢別に見ると面白いことが。科学的モデル。学年が上がるにつれて増える。合成モデルを使った回答は学年が上がるにつれて減っている。混合モデルを使った回答も減っている。年齢が上がるにつれて科学的モデルを使う子が増える。年齢が上がるに伴い概念は変化する。合成モデルの成り立ちに着目した研究。緩やかなプロセスが明らかに。緩やかな変化は天文学に特有のものではなく数学や歴史学でも。成長に伴い経験や知識が増えると素朴概念が変化する。すぐに科学的概念に変化する単純なものではなく、合成モデルを作ったり試すことを繰り返したりと骨のあるプロセスが。素朴概念がすぐに科学的概念にはならない、フレームワーク理論。子どもたちが素朴概念を作り変えていくときの土台となる理論。ものごころついた頃から。変化しにくい。人間の持つ概念はフレームワーク理論からの一貫した説明体系。安定した基盤に経験則は支えられている。物理的世界に対する、素朴物理学が強固。科学的概念に接してもすぐに納得して使えるようにはならない。人の持つ概念は一貫したもの?状況により柔軟でもある?概念変化研究では柔軟性に着目。
リセッサ。概念変化というプロセスは断片的な知識をつかったりする。多様性を説明する。物理の問題を提示して。素人や初心者の反応は文脈により異なる。理解の柔軟な変化を想定することで説明可能。断片的知識とは?概念の変化の単位となる。Pクルムが組み合わさって。断片的な知識が含まれていて関連付けて適用する。例えば弾力性のPクルム。多くの物体の性質。基本単位として。色んなPクルムと関連付けて。物体が衝突するときの現象を説明できる。弾力性という知識を持っているだけでは見かけ上は変形しない鉄の物には、衝突の現象を適切に理解できる。概念変化と。適用範囲が広がると核として変形の結果として復元力が備わりエネルギーの変化が起こると。より複雑な現象を説明できる。正しく広がり組み合わさると説明したり予測したりと。学生のインタビューを丁寧に分析。何度か説明すると矛盾したり。同じ用語でも違う意味でつかったり。物理学の法則を否定したり。多様な反応は普通に見られるとした上で。小さい知識が必要に応じて結びついたりしていると考えると解釈が可能になると。概念は必要に応じて構成されるものだと。物理学専攻の真面目な学生は、運動エネルギーが何処に行ったかの設問。独自の理論を作り上げて。疑似理論。断片的知識で説明可能。物理学専攻の学生は単純な状況ならば弾力性が使えるはず。局所的な現象を説明するために適切に使える保障はない。物理学的な概念を獲得したと言えるためには新しい問題状況を理解して適切な知識を呼び出せるか。それ自体発展していく知識と。弾力性の中身。エネルギーがどのような状態になるかの理解がより明確になれば適用範囲は広がると。反発の詳細な説明にも使える。リセッサの理論は自然科学の学習を。
3つの研究例。生物学天文学物理学どれにおいても素朴概念を作り活用している。素朴概念は変化する。変化の中身は経験の中身に左右される。それぞれの内容領域にも関わらず一定の法則を。学校教育やTVを通して科学的知識を得るのも経験の1つ。地球はマルイという科学的概念が影響を与える。様々な経験を元に作り変えて判断している。科学的概念を情報として知っていることと使えることは区別しなければならない。素朴概念と科学的概念の統合は驚くべきものとなることも。モデルの統合のパターンも多様。どのように理解しているか。文脈にも左右される。学習者一人ひとりが持つ素朴概念を扱うのも一筋縄ではいかない。改めて教えること学ぶことを。社会的構成の図。人の知識や理解を適応範囲の大きさで3段階に分けている。変化させている素朴概念がレベル1。素朴概念はあくまで個人の経験に基づく。しっかりしたモデルは子どもたちには頼りになる。レベル3は科学的概念など。専門家は日常では経験しないことも統一的に理解できるように。適用範囲が広い知識が学校教育のコンテンツに。子どもには様々な事柄について素朴概念を形成する力を持っていて経験に左右される。子どもは自分自身で素朴概念を形成することが出来る。より適用概念の広い概念に変えていく。主体的学びの主体であり得る。概念変化のプロセスの途中では筋が通っていない説明になることもあるが、概念を見直しより良いものにしていく可能性も開けている。実生活における多様な学びの場に即して見ていく。学びの形を。

 

教育心理学特論 (放送大学大学院教材)

教育心理学特論 (放送大学大学院教材)