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情報のリテラシー(1) 文献や調査結果を探す・読む(市民自治の知識と実践第9回)

統計調査の結果については注意深く分析する必要がある。真実性において全く価値がないような調査も少なくないのだから。

 

リテラシー。社会調査の結果を読むなど。既存の文献や資料の基本的な探し方。社会調査の基本的な種類。調査結果の注意。
より深く知る、調べる。自分で社会調査することもありだが、膨大な量の社会調査が為されている。調査するには時間や金銭もかかる。予め自分が明らかにしたいことについての文献資料を読んで整理をして、何が明らかでないのか把握をして、社会調査をする必要があるのか、必要があるとしたらどのような調査か、を確認する。
文献の調査。検索をする。図書館などのカード型目録。コンピュータを使ったオンライン検索。OPAC。短時間で効率よく探索出来る。多くの図書館がインターネット上でOAPCを公開している。国立情報学研究所。論文情報ナビゲータ。Googleのグーグル・スカラー。図書だけではなくて論文の検索もある程度可能。発行元のサイトで論文が公開されている場合もある。検索でヒットした論文がどこの図書館にあるかを調べることも出来る。文献の現物やcopyを取り寄せてもらうことも出来る。多くの図書館ではパンフレットを出しているところもあるので、検索スキルの向上の為には目を通しておきたい。検索サイト、文献が殆どhitしないことも。keywordが狭すぎたり特殊すぎたりすることも。一般的な用語で検索すると良い。基礎知識が乏しければ限界もある。テーマについて自分なりの見取り図を作りながら探索する必要がある。基本的な文献を探して代表的な論者に誰かいるか、研究動向はどうなのか、の作業が必要。テーマに関する入門書を見て参考文献リストを確認し、文献を芋づる式に手繰る。論者をリストアップしてみる。専門の学会や研究会の学術雑誌は、定期的に研究動向がポストされることも。図書館で書架を見て探す方法もある。日本十進分類法でテーマごとに分類されているので、同じテーマ、似たテーマが近くに並んでいる。ざっと見てみるとどういう研究がなされているか大まかな感触がつかめる。検索で見れなかったことも分かる。入門書を何冊か読んで基礎知識を補うことも。ただ、複数テーマを見逃してしまうことも。閉架の図書を持つ図書館もある。文献の見方。文献を最初から最後まで通読する必要はない。要約はあるし、初めと最後の章を読むと良い。結論だけ先に読めば良い。丹念に読まなければならない文献もあるので判断を。慣れない内はぎこちないが、調査の為の読書は別だと割り切って効率よく読書を。
世の中には研究成果としてはまとめていない、基本的な統計などもある。そういう資料の分析で、改めて社会調査をしなくても良い場合がある。基礎的な統計、公的な統計。国勢調査。20年からほぼ5年毎に。労働力調査や家計調査など。調査統計の他に、業務統計というものもある。政府統計の総合窓口、から。都道府県や市町村が取りまとめている場合もある。独自の統計も。自治体のウェブサイトや図書館も。公的統計データの促進が進められている。オーダーメイド集計。匿名データの作成。利用にあたっては一定の要件を満たす必要があるのと、手数料がかかるけれど。民間の企業や業界団体がまとめる民間統計もある。公開対象が限定されている場合もあるが、テーマが広いので活用価値がある。図書館の参考図書コーナーでも。議事録や地域の歴史資料。Webで公開されていたり公民館で収集されていたりしている。公共的な財産、という視点で。データアーカイブ。二次利用の為に提供。
一口に社会調査といっても多種多様。用途から見た種類。統計調査。公的機関が個人などを対象として。国勢調査。当該テーマに関する基礎的データを。集計表の形で公開。Web上でも閲覧可能。市場調査。商品の生産者や販売者が。マーケティングリサーチ。調査票を用いた、インタビュー調査。販売促進活動の中には市場調査を兼ねるものも。世論調査。時事問題への意識や階層意識など。学術調査。学術上の問題関心から。第一義的にはそうだが、関心が経済的実務的と完全には別れてはいない。
社会調査の結果を読む時の注意。自称社会調査というものもあるから。労働力調査の完全失業者。定義条件が明確なので把握する必要がある。就職活動をしていない人は含まれていないことに注意。一般印象と重ならない。用語について一定の定義があることに注意。用いられる用語の定義について確認を。その調査の対象は?という問題。まともなものなら調査の全体が明記されている筈。母集団。自治体に住む全ての男性、など。全数調査。国勢調査など。現実には実施が困難。標本調査。母集団の中から一部分を標本サンプルとして調査する。統計学の理論を用いて母集団を推計する。標本抽出サンプリング。大企業の従業員について趣味の調査を。性別と年齢層。属性が偏ると全体の縮図とは言えない。調査の母集団が何か?抽出方法はどのようなものが?何を対象としての調査なのかが不明確なこともある。無作為抽出法とバリエーション。無作為抽出法。調査者の作為を加えないのが原則。全母体が載っているリストから同じ確率で選ばれるようにする。単純無作為抽出法。ランダムサンプリング。どの個体が標本として選ばれるのかは全くの偶然に。台帳の全母体に番号を振って、乱数に対応するものを。非常に手間がかかる。系統抽出法。抽出する時に最初だけサイコロを、後は一定の間隔で。多段抽出法。段階を分けて抽出。層化抽出法。指標に着目をして、母集団を幾つかの層に分けて抽出する。層化多段抽出という方法も。マスコミの世論調査に多い。RDD法。電話番号で抽出。下4桁などで。母集団は固定電話が対象。一人暮らしの若年層は調査から漏れる可能性がある。回答者の偏りに注意。回収率。100%に近いほど良い。極端に低い、ある属性では極端に低い、などは誤差が多い可能性がある。基本属性に偏りが無いかもcheck。具体的な質問文の把握を。異なっていると回答の仕方も変化する。誘導する効果がある場合もある。結果を参照する時。ワーディングで歪められている場合。ステレオタイプが用いられていないか?一定の価値判断を含めた質問文で無いかどうか?「女性の腰掛け就職」。ステレオタイプの一種。否定的な回答が多めになる。特定の回答を誘導する。「国連から非難決議」。質問に対して否定的な回答をしがち。世論誘導に繋がる。現実には混じっている質問文も少なくない。問題のない質問文を使用する。誘導に注意。その調査がどのような目的で行われているかなど、調査の文脈を把握。直接の利害関係がある場合。人事部が労働環境について、忠誠度を試されていると思ったりするなど。第三者に調査させることが。調査を半ば強制的に。弱い立場の従業員を対象で。アリバイ行為、宣伝行為に堕する。バイアスがかかる。

 

市民自治の知識と実践 (放送大学教材)

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