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社会統合と公共性(公共哲学第9回)

バブルの崩壊から、日本社会で社会統合はないがしろにされているように思う。誰かを排除することでしか「社会統合」が為されないのは問題あり。

 

社会統合。市民が自らにとって有益なものとして認め、安定した関係が。19世紀末から国民の統合。機能不全に。社会文化的な側面。同質な国民からは困難。移民の拡大。地域の分離。グローバル化で経済格差が。再階級化。社会保障の大幅な後退。貧困がリアルに。一億総中流のイメージは関連に失われた。社会の亀裂。社会文化的側面においては価値観の多様性の尊重。同化のない統合。排除のない統合の在り方を。価値観や生き方の多様性。社会的排除のない社会を。貧困のない社会。不平等の問題性。社会の分断を乗り越える。
貧困が21世紀の日本に存在することは明らか。貧困率。生活保障を自分で構成出来ない。正当な規範的期待は無理か。貧困が次世代の子供に深い影響を。貧困の再生産。子どもの貧困率も16%に。就学援助世帯の急増。学習離れという現象。将来への期待が持てない。社会から降りてしまう。人生の出発点において社会的共同から排除される。ヘーゲルは「法の哲学」で、市民社会、欲求の体系。資本による社会統合には限界を。窮民の存在が。一定の生活水準以下に。遵法の感情が失われる、窮民の存在を。制度への不信、制度からの離反。復帰する術を見いだせない。社会や制度に背を向け内心の反逆を。ロールズやハーバーマスも。ロールズ。最低限の生活保障はアンダークラスを防ぐことが出来ない。社会的共同から閉め出された人々を社会的仕組みに復帰させることが出来ない。市場による統合の限界。ソーシャルミニマムを保障する福祉国家の限界。ハーバーマス。マイノリティを顧みなくなる。市民間の連帯が失われる。意思決定の正統性が失われる。代表されない人々が増える。制度が公私両面でサポートすることが必要。人々は誇りや自尊で社会的共同に参加する制度を。
貧困の問題。不平等、格差の問題。社会保障の立て直し。セーフティネット。しっかりと張る。あまり低くなく。強い弾力性、再包摂を。労働市場への参加を促す。市場への競争に落伍した人を事後的に救済。もっぱら貧困への関心。社会的不平等の強い影響に対処できない。甚大な不平等につき事後的に対処。人々の間の不平等。富裕な生活者や貧困に陥る人。不平等そのものの関心ではない。人生の出発時点での不平等。裕福な家庭からとそうでない、フェアとは言えない。出発時点の平等。平等な関係が損なわれるとしてもフェアとみなされる限り正統化される。劣位的な地位を占めざるを得ない時、地位の不平等。自己尊重を損なうのを不正であると考える。一定以上の社会的経済的不平等。支配ないし抑圧の関係。搾取や支配を引き起こし、政治的な権力の格差に翻訳される。政治的不平等に。不平等の固定化。共有される制度において連帯の感覚をそこなう。分断が深まり関心が希薄になる。居住地の隔離。富裕層が自分たちの住まいを囲い込む。日本でも増加。教育などのあらゆる局面で別け隔てを。市民の連帯の感覚が失われる。不平等は隔たりを産む。不平等への関心が。条件の平等化。市民相互の地位をどのように変えるかは無頓着。市民が他の市民との関係。支配の可能性を導くものではないか。不平等には貧困と異なる大きな問題が。
ロールズの財産所有のデモクラシー。市民間の公正な競争システム。基本的制度は充分な生産手段を市民の手に。少数の人の物にしてはならない。能力や技能など。社会の基礎構造は次の世代への背景的手続き正義を。事後的な救済ではなく、人々が社会的共同への立場のための資本の分配。事前のプロモーション。不平等を所与とするのだけではない。人生への展望を長期的に改善。社会統合の綻びをその都度修復する。公正な生活条件を社会の成員に用意。自らを社会の一部と感じるように。公共的文化を意義あるものに。自らが公平に扱われているということ。
多くの社会に分断が。3分の2社会3分の1社会。正規雇用と非正規雇用、失業中。社会の分断を与件とするセキュリティによる社会。分離均衡の関係を?長期的に安定しない。国民のアイデンティティを統合して社会の分断に対処。移民排斥の勢力。強固な連帯を取り戻せる?フランスをフランス人に。国民戦線。ドイツでも。かつての手厚い社会保障を取り戻せる?中の下の社会層にアピール。エスノナショナリズム。凝集性の増加に?国民の再統合。民族の同質性に。抑圧的に働く。同質性や排他性を要求しないが、国民性の回復により連帯を取り戻す。リベラルナショナリズム。イギリスのミラー。多元性の事実の承認から。少数者の基本的人権を。ナショナル・アイデンティティでも多数者が基礎に。国民の同質性に訴えるわけではなく、諸文化が共有するものを。公共文化におけるアイデンティティ。熟議デモクラシー。説得力を持つ?国民の一員という感覚。民主主義のエートス。しかし、多数者の文化を基盤とする問題点。必ずしも対内的な資源分配を意味しない。サッチャー政権。社会保障が切り捨てられる。生活の不安を代償するイデオロギー。痛みの負担を正当化する方向に。再統合に向け努力、新たに周辺化する問題が繰り返される。日本。琉球の同化。アイヌ人を二級市民に。強い国民的凝集性。グローバル化が進む中で失われてきている。一時的には動員できるとしても、再統合は安定性を持ちえない。社会統合の構想は?市民が現に国家の諸制度を共有することから。生き方の共有に社会統合の基盤を。制度の共有。統合のレベル。文化の共有によるレベル。生活様式の違いは肯定される。制度の共有によるレベル。文化の違いに関わらず市民という地位で結びつく。ハーバーマス。両者は意識的に切り分けを。ミラーと異なる。2つの統合の区別。「他者の受容」。倫理的統合は全ての国家市民を束ねる?倫理的に統合された共同体にとって。多文化社会において。鋭敏な感受性が必要。倫理的な統合とは、共有される価値観により人々が結びつく。政治的な統合、市民として結びつく。ポストナショナルな社会統合。市民が共有する制度こそが。市民の諸権利を実行的に保障できれば。社会権や文化権を制度的に保障する。憲法「愛国心」。実践の積み重ね。日本でもヘイトスピーチの問題。対応の違い。アメリカの場合は表現の自由をできるだけ擁護。ドイツでは規制を。パトリオディズム。忠誠は具体的なもの。憲法と基本的制度への愛着。憲法原理の解釈実践。LGBTの人々。制度を通じて実現していく。憲法が成果とみなされるからこそ、自己了解や愛着を持つように。憲法原理。この国家に市民が寄せる愛着を説明できる?観念的なものに留まる?普遍的な価値を実現してきた具体的成果に基づく。抽象的なものを要求しない。強い動機づけを喚起する。多元的な価値を持つ市民において。社会統合。多元性の自律。固有の文化や伝統に依拠することは出来ない。人々を結びつけるのは違いに関わりない政治的紐帯。市民は制度を媒介として責任を負う関係。市民の間に互いの権利主張に対する応答。排除や支配の無いもの。不正や不当とみなされるものへの異議申し立てを無視しない。デモクラシーの制度と応答が社会統合に不可欠。国民統合という在り方が破綻を来した現在。社会統合を再建しようとする数個の構想。誰との間で何を共有するか。

 

公共哲学 (放送大学大学院教材)

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