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恋愛・ジェンダー (2) -アーサー王物語とかなわぬ恋(中世・ルネサンス文学第3回)

現代のJ-POPの歌詞の世界に似ているというか、J-POPの方が中世の恋愛世界に似せて作られているのだろうと思うけれど。

 

横山安由美。田崎マヤ。アーサー王物語。突然恋を語り始める。南フランスの吟遊詩人。ギヨーム9世。自分が欲しい物を。たくさんの女性と恋仲に。恋は精神を高めるチャンスとする。愛は12世紀の発明。トルバドゥール。愛して悔いぬこと。愛すること自体を誇りに。恋愛は結ばれないことの苦悩も。叶わぬ恋。噂を聞いただけの女性に愛をする。途中で病気になり愛する者の中で死を迎える。はるかなる恋を超えるものはない。愛の効能は自分自身の魂の昇華。十字軍の動乱の影響が。何ヶ月も何年も中近東や北アフリカに。戦乱で死別したり生き別れたりするのが常態化。反社会性が希薄に。愛が概念的に再構築。人の移動を通してアラブのエロティズムが。
北フランスにも伝わる。韻文の長編も。シェイクスピアの原型、イズーとトリスタン。誤って愛の媚薬を。魔法の薬。熱烈な恋に落ちる。禁じられた三角関係。トリスタンは王の臣下。大変な苦労。辛いことが連続。愛しい人、あなたなしでは悲しみなど感じない。あなたの腕の中で死ぬつもりだったのに。同じ魚に。同じ棺に。弔いをしてくれる。イズーは一心同体という意識を。死んで初めて一緒に。自分の意志の力で死ぬ。トリスタン伝説の定着。愛の運命性と個人の意志の無力さ。あなたと私の同一性。19世紀になって「トリスタンとイゾルデ」。壮大な宇宙観。愛の二重奏。それぞれが自我を喪失する。トリスタン。もはやトリスタンではない。ロマンティック。中性に戻すと理想の世界ではなく写実的にコミカルに描写。トリスタンは狂人や野人になりすます。恥ずかしいこともたくさん。イズーの彫刻を作ったり。王も嫉妬や怒りに歯止めがかからない。妻の不倫に激怒して病人に投げ込む。密告を受けて逢引を覗き見。木の上に王の顔が。トリスタンらに裏切られた。人間らしい。王妃と若者のケルト伝説。王妃が拉致して。結婚は本人の意志でないので甘んじないことが。現実にも略奪婚があったことが推定される。駆け落ちした人妻の財産についての規定。ジャンはピエールを盗みで訴えられるか。妻の持ち出した指輪1つにもトラブルが。
宮廷風恋愛。高貴な奥方への叶わぬ愛。長子相続制度。長男がすべてを引き継ぐ。千疋の騎士。多くが夢者修行と領主探しの騎士。よそ者の騎士と婦人が恋に落ちるというパターン。よそ者同士気が合う。クルトワ。ロマンクルトワ。宮廷風騎士道物語。アムールクルトワ。宮廷風恋愛。騎士が奥方にかしすく姿。レディ・ファーストの起源。女性への崇拝?女性は王妃など高い地位が条件。「女の歴史」。女性尊重というより下級騎士の上昇基調。12世紀にはアーサー王と円卓の騎士たちが。ランスロ。荷車の騎士。姦通愛の苦労を。キスを見て見ぬ振り。王妃が現れる。ランスロは窓辺に現れる。手に手を取り合う。鉄の格子を呪う。身分の壁。力づくで引き抜くが。円環状の構造。冒険とは敵を倒したり。愛や女性への奉仕は冒険の目的。愛は冒険を妨げない。女性の礼節を。節度を保てるかが重視される。急停車会への参入への文化資本が試される。
宮廷風恋愛は文学遊戯として。「恋愛指南」。中世版親愛指南書が。愛する人は欲望で捉えられる。美しい異性をみて苦しむ。愛の持続の仕方など。恋愛の法廷。お題が出されてトップレディが裁定を。愛の規則31か条。夫婦間には真の愛は存在するか。伯爵夫人はNOと。愛の神の報酬を得るには。真の愛を育む嫉妬心がない。愛は秘密にしなければならない。愛は障害があるほど盛り上がる。現代人にも共感が。19世紀のスタンダール。恋愛論。
薔薇物語と論争。13世紀の「薔薇物語」。女性に惹きつけられて我が物にするまで。愛の神よ、蕾を選び気にいると一本の矢を。強力な弓を引く。一気に心に。何度も身体が震える。命中した私はひっくり返る。長い間気絶していた。とても頼りない感じ。傷は乾いていた。矢を引っ張りながらため息。美という鏃は心に。視覚から恋に。一目惚れ。寓意的人物を物語風に。薔薇に近づき接吻をするが嫉妬の城が蕾を取り囲む。指南書の延長上に。仕えること。嫉妬の城の攻略。段階的に目的へと進む。花を摘み取る、女を自分のものにする。擬人化された理性と自然が百科事典的な知識を披露。撞着語法。愛とは種の存続のために偽計。女の一般化や操縦法は不快に。薔薇物語のジャンロマン。難解な知識を。たかが一人の田舎娘に多くの悪だくみが。男の身勝手さと不道徳。擁護派も加わり薔薇物語論争が。過激な発言もセリフに過ぎないと。虚構の登場人物でも責任は作者に。ジェンダーは作り物により構築。ただしそれはできたのは政治力と知性、恋愛への思い入れが。詩人としても優れている。26歳に愛する夫をなくしたが「私は一人」という恋愛詩を。詭弁が許せなかった。
中世の恋愛も語り尽くせない。矮小化する動きと純粋化。理想は理想として、現実は現実としてたくましく。恋人の逢引では悦楽調で。風景描写のトポス、お決まりの場所。演劇的な性質としての愛。公の性質も帯びる。魅力的。愛そのものが毒で有り酒。愛はジェンダー的構築物の1つ。内的経験を言語化。必ず社会的力が作用。シャプラン。錠前をも砕く。金であって男ではない。愛しているからこそ結婚はしたくない。生殖能力の専有は財産によって。女は金のために性を、という紋切り型の成立。反社会的態度を。男女平等という建前は乏しかったが。男女の非対称性。入れ替えると成り立たない。ジェンダー的偏見。中世では深く内面化。女性による男性批判も存在した。厳しい現実の中でも愛する男女がいたことを。中世は決して異質のものではない。新しい発見がたくさんある。本当の愛は愛する心あってのもの。本当の愛は希少性が。だからこそそれを補完してくれる詩や音楽を求める。

 

中世・ルネサンス文学 (放送大学大学院教材)

中世・ルネサンス文学 (放送大学大学院教材)