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市民訴訟をつうじた公益擁護(市民自治の知識と実践第14回)

市民が持つ常識を訴訟にどのように乗せるかは重要な課題である。今ある制度を使いこなすことは勿論必要だけど、制度の設計が求められる場合もあり得ると考える。

 

原島良成。市民訴訟をつうじた公益擁護。市民が訴訟という手段で公共的意思決定に関与を。情報公開に続いて法的思考がどのように役に立つか。公的手段が有益か。
法的思考は法制度を学ぶだけではなく、自治についての説得力。どのように自分に用意があるか。情報公開は市民自治に有効だが、単に権利として都合の良い時に使うのではなく、積極的に使い政府の説明責任を果たさせる。
市民自治の実践として裁判を。斬新か違和感があるか。法律の先生だと殺伐とした話が多い。違和感があるのではないか。手弁当で町中に憩いの場を。ベンチを作ったり掃除をしたりとする市民自治には裁判は違和感が。手を動かす市民自治とは異なる実践として。意見交換をする。それでも訴訟は喧嘩なのでかけ離れている。政治に市民自治を導入する。政府の活動は何処かで法律と繋がっている。国や自治体。住民票の発行や介護保険の事務。学校施設などの管理。法律や条例の実施活動として。政府の活動に市民自治を導入。市民がチェックするという形態も。主体的に行うというイメージからはcheckは事後的だが。checkも重要。幾ら市民自治と言っても全て自主的に行うことは困難。政府の活動が実施であるならばそのチェックも重要。
出発点では。公益を生み出すこと。公益を守ること。公共の利益を。法律条例に違反して不正が。市民が適用により世の中を正す。専門家集団の裁判所を利用するのは合理的。ではどのように?裁判所は法律の専門家。選挙を通じ民主主義的にではないが。裁判官を任命する仕組みではない。裁判所の仕事が訴訟。政府が法律条例に従わない活動をしている時に是正を命じてもらうことは良いこと。市民自治を進める。実は問題があるが。
ではどのように利用するか。市民訴訟の基礎理論。色んなものを意味する。市民がその資格において公益を養護する訴訟を。公益と言っても色々。グローバルなものや地域の生活環境など。完全に私益であるモノ以外を差し当たり公益と。誰にとってもの利益。実現するための訴訟は行われていて制度もある。法学を突き詰めると、裁判で公益を実現するのは違和感がある。ミスマッチがある。市民自治の憲法上の理念の国民主権。公益の擁護や増進は民主的に。民主的議会を通じて。裁判所で追求するのはどうか。民主的に選ばれているわけではない。非民主的な機関、エリートによる。その構図に違和感が。市民自治と整合するか。裁判所法3条1項。一切の法律上の争訟を。その他法律に特に定められた。法律上の争訟。私益を。主観訴訟。個人個人の法的主体。主体にそれぞれくっついている利益。財産。健康。生命。人格的利益。個々人の主体にくっついている主観的利益。その保護を。主観訴訟。主観に対しては客観。客観的利益。誰についてもの利益。客観的利益、公益の利益や擁護を。客観訴訟。区別の前提には公益と私益を区別することが。市民の一人である私にとっても公益は無関係ではない。私益とは区別できる。自宅近くの公立の図書館。その存在が誰にとっても利益になるから設置されている。あくまで公益の反射的利益を享受しているに過ぎない。旅行者がふらりと訪ねることも。特定できる誰かに帰属するのではなく誰にとってもの利益。私益の多くには排他性や独占性が。捨てることも私益に含まれるが、図書館の書籍については認められない。最小限他人の権利を害さないように。厳密に考えると中間的利益も考えられるが今回は二分法で。公益は私益を束ねたものと異なる。法律上の争訟として裁判所の保護を求めようとしても断られる。裁判を受ける権利には含まれない。主観訴訟に乗らない客観訴訟とは?民衆訴訟と機関訴訟。行政事件訴訟法の5条6条。民衆訴訟に絞る。5条。機関の法規に適合しない行為について。自分の利益の保護救済ではなく、違法行為の是正を求める訴訟。民衆訴訟を。選挙訴訟と住民訴訟。選挙訴訟。選挙人としての資格で提起するもの。公職選挙法に詳しい規定が。幾つかの類型が。議員定数不均衡訴訟。選挙の区割りで選挙が。地区により重みが違う。都会では少なく地方では多い傾向が。一票の重みが違うのは平等原則に反する。勝訴しても1円も得られない。公共のために行う。是正して正しい国政を。客観訴訟の意味がよく分かる。参議院選挙や衆議院選挙。最高裁で判決が。平成25年7月の参議院選挙では違憲状態と。最高裁大法廷。選挙訴訟ではマスコミで目立つ。住民訴訟。文字通り自治体の住民が提起する。内容は幾つかある。手続きを住民監査請求から。客観訴訟の一種。地方自治法242条の2。地方公共団体における財務会計行為について是正を。限定があって、その地方公共団体の住民であることが。逆に住民であれば提起出来る。生活の本拠があるかどうか。住民票がある自治体。選挙訴訟では選挙人という資格で。住民訴訟はそれに加えて住民監査請求を先に行うことが求められる。先に当該自治体の住民監査を求める。監査委員による。実際の訴訟でよく問題になる。訴訟での類型。住民訴訟の仕組み。監査委員は誰が?身内的な存在の人がしてると言われることも。住民監査請求で違法が認定されることは多くない。242条の2の各号に4つの請求類型が。第1号請求と第4号請求。監査委員会に退けられたりした場合。財務会計行為について。行政組織内部で行われるので、知った時には支出が行われていることが少なくない。差止請求。1号請求。支出がされてしまった場合。4号請求を。支出を指揮した首長や職員についてお金を戻せとする請求が。不適切に支出しているので自治体に成り代わって住民が。世直し的訴訟。自治体の財布に。現在では自治体に取り戻すよう命じてもらうことに。大東市の事案。違法な支出。市に変換するよう求める。最高裁で全額の返還請求を認めた下級審判決を認める。脱法性が強いと。
自分の自治体に関する財務会計行為については住民という資格で。訴訟を起こしたとして中でどのように主張できるか。財務会計行為の違法とは?具体的には補助金等の支出。地方議員への活動費の使途。談合や事業自体の必要性。ざっくり言えばお金に関わること。役所の活動は大抵はいくばくかのお金の影響があるが。242条の2。裁判所の本来的役割とは違う。拡張すると何でもかんでも裁判所がやって良いのか?基本的には限定的に。財務の規範に引っかかる場合が大原則。裁判例を見ると前提となる非財務会計行為が問題になることも。埋め立て免許の。松山地裁の昭和63年。客観訴訟である。それは自分に関係ないものが意義。しかし何でもかんでもだと裁判所のコントロールができなくなる。基本的に議会で制定された法律により限定される。住民訴訟を法学部で習う。憲法の授業で。政教分離原則違反。政府組織と宗教組織の分離を。自治体の長がある神社を訪れて玉串料を公費で。最高裁で政教分離原則違反が認められる。一般的には客観的なもの。法律上の争訟として。精神的権利が侵害されたとしてもなかなか勝てない。政教分離原則違反ではないというのではなく、主観訴訟がマッチしていない。客観訴訟は使いこなせば非常に有効。市民が市民としての資格として裁判所に出訴。主観訴訟の中にも市民的権利が。鞆の浦の橋をかけると問題。

 

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