ーーーー講義録始めーーーー
認知行動療法の特徴
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科学的根拠:CBTはうつ病・不安症などに対し、RCT・メタ分析および**公的ガイドライン(NICE・APA)**で有効性が支持されています。客観的指標(標準化尺度)で効果評価が可能です。
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問題メカニズムへの適合:認知・行動・身体反応・環境の相互作用モデルに基づき、維持要因に即した技法(例:曝露、認知再構成、行動活性化等)を選択します。
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時間制限付きで効率的:CBTは通常5〜20回程度、1回30〜60分を目安に実施される時間制限付き療法です(症状や併存・重症度により調整)。「短期間での問題解決が“常に”可能」と断定せず、適応により変動と明記します。
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アクセシビリティ:訓練を受けた提供者による対面・オンライン・電話に加え、ガイド付きデジタルCBTが初期介入として推奨されうるなど、アクセス拡大の取り組みが進んでいます。
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セルフヘルプ志向:ガイド付きセルフヘルプ等により、当事者が技能を獲得しセルフマネジメントに活用できることが目標です。
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協働性:治療者と当事者が協働的経験主義に基づき、仮説—検証のプロセスで介入を調整します(ケースフォーミュレーション)。
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包括性・多職種連携:医療・心理・社会資源を組み合わせる生物—心理—社会モデルの文脈で、多職種提供体制(例:ステップドケア)に位置づきます。
現代社会での意義
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予防・再発防止:うつ病の再発予防ではMBCTの有効性が示されています。再発リスク低減に寄与します。
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社会復帰支援:一部の領域で、CBTは**病欠期間の短縮・復職(RTW)**を促進する可能性が報告されています(介入種別・設定により効果はばらつき)。
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コスト効率:経済評価では、長期的に費用削減・QALY改善を示す分析があり、費用対効果が示唆されています(対象・期間により異なる)。
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総じて、CBTはエビデンスに裏付けられた時間制限付きの協働的アプローチとして、現代のメンタルヘルス課題に適応しうる枠組みを提供します。
