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残忍さ。

日本の法社会学の研究者としては川島武宣先生が最も著名であろうことは以前に書いた。

 

先生は長年の調査で研究メモを整理して研究室に保存していた。ところが1968年からの東大紛争で学生が研究室を荒らしてしまった。メモが無いので論文も書けなくなってしまい、半ば研究生活を断念せざるを得なくなった。ある意味で残忍な行為である。そもそも当時の学生紛争は学問そのものを根底から問い直す側面があり、その議論の中で学問の否定という議論もあった模様である。しかし学問の府に居る人間として、研究を強制的に終了させるという行為をするのはどうかと感じる。