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高校数学|数列の極限・級数の基礎解説 (初歩からの数学第13回)#放送大学講義

今後の数学学習に必要だから新たな概念が出てくるのだが、嫌気がさす人間が多いのも当然ではないかと思ってはいる。

 

ーーーー講義録始めーーーー

 

数列の極限に関する基本原理と級数の定義

まず、**挟み撃ちの原理(サンドイッチ定理)**について説明します。
ある数列 ana_nbnb_ncnc_n に対して、すべての nn

anbncn

が成り立ち、さらに

limnan=limncn=α

であれば、サンドイッチ定理により

limnbn=α

となります。


次に、単調性と有界性について説明します。
数列が単調増加であるとは、任意の nn に対して

anan+1

が成り立つことを意味します。逆に単調減少の場合は anan+1a_n \ge a_{n+1} となります。
また、有界な数列とは、ある実数 MM が存在してすべての nn に対して

anM

となる数列を指します。重要な定理として、「単調かつ有界な数列は収束する」というものがあります。つまり、もし数列 ana_n が単調増加で上界 MM が存在すれば、ana_n は上限に収束します。


さらに、無限数列と級数について説明します。
無限数列は n=1,2,3,n=1,2,3,\ldots の各項からなる数列 {an}n=1\{a_n\}_{n=1}^\infty のことです。
これに対して、級数は数列の各項の和を意味し、

S=n=1an

と表されます。級数の収束性は、部分和

SN=n=1Nan

の極限 limNSN\lim_{N\to\infty} S_N が存在するかどうかで判断され、極限が存在すればその級数は収束し、存在しなければ発散すると定義されます。


図表による説明例

サンドイッチ定理の例

nn ana_n bnb_n cnc_n
1 1.0 1.5 2.0
2 1.2 1.7 2.0
3 1.3 1.8 2.0
\vdots \vdots \vdots \vdots
nn\to\infty α\to\alpha α\to\alpha α\to\alpha

この表は、anbncna_n \le b_n \le c_n が成立し、端の数列がともに α\alpha に収束するため、中央の数列 bnb_n も α\alpha に収束することを示しています。


以上のように、数列の極限に関する挟み撃ちの原理、単調性・有界性の概念、および級数の定義と収束判定について解説しました。