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「道徳とは何か」定義と教育課題(道徳教育の理念と実践第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

以上、インタビューにご協力いただいた皆さんは、それぞれご自身が受けてきた道徳の授業に疑問や問題意識を抱きつつ、未来の子どもたちのために道徳の授業や道徳教育がどうあるべきかを提案してくださいました。私たちもこれからの講義で、「道徳教育で学ぶ“道徳”とは何か」という問いを一緒に考えていきましょう。

まず、印刷教材には『広辞苑』の定義が紹介されています。そこには次のように記されています。

道徳:人間相互の行為の善悪を判断する基準として一般に承認されている規範。
法律のような外面的強制力を伴うものではなく、自然や文化財、技術品など事物に対する人間のあるべき態度も含まれる。

しかし、道徳をめぐる学問的領域は道徳哲学や倫理学などと重なり合うため、道徳の定義をひとつに統一しようとすると、かえって領域の境界があいまいになるおそれがあります。とはいえ、定義が人によってまったく異なれば、道徳教育で何を教えるべきかを議論する基盤すら失われてしまいます。