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障害児・障害者のためのアセスメント技法3:行動観察法(障害児・障害者心理学特論第6回)

単純に観察をするという営為にも技術は必要。研究に限った話ではない。

 

障害の在る方が困ることがある場合、様々なアセスメントを。行動観察は重要だが、必要な技術が見落とされている傾向に。
障害児障害者。検査法。知能検査や様々な検査法。行動観察が非常に重視されている。どのように反応しているのかはアセスメントの基礎。行動観察は決まった手続きである訳ではなく、現実的に生活する生の部分を観察。構造化されている場合と異なる。同じ世代の他の子供と比較することも出来るが。実際の行動観察法。何に役に立つのか。あらゆる世代のあらゆる生活が。
小学校の通常学級の発達障害児の事例。2年生の男の子たかし君。ADHDの診察を受けている。巡回相談を受けた心理士の立場で。席から離れて立ち歩く。授業を止めて注意を。学級全体が乱れてしまう。集中して授業に取り組めるようになすアドバイスを。現場の支援者からの情報だけで効果的な解決に繋がることは多くない。たかし君の様子を観察。常に立ち歩いているのはなく、立ったり座ったり、他の子供も。他の生徒に指導している時に。たかし君も。学級の状態も。担任の先生へのアドバイスは?学級全体が落ち着きが無くてそれが影響している。やるのがわからない場合に。他の子供がキッカケになっていることも。観察やアドバイス。経験主義的。色々見ていると、という話。データに基づくアドバイスではない。実際の行動観察、経験に基づいてではなく根拠に基づいて。
行動観察の技術とは?2つの役割毎に。行動を測定する。観察主体行動がどの程度生じているか、数値で置き換える。記憶はあやふやなもの。1週間から昨日までの手を洗った回数は?解決したい問題があるとき、印象でなく実際に増えたり減ったり言うことが出来ない。良くなっていると錯覚したり、上手くいっていないと錯覚することも。先生などの印象がズレていると話が全く噛み合わなくなる。印象のズレはよく起こる。教育や福祉でも珍しくない。回数を残すことが重要。支援の方法を一緒に考えることが出来る。
行動を測定する技術。目標行動を定義する。観察をする行動。授業中に席を離れて立ち歩く。出来る限り明確に、誰でもわかるように。授業に取り組んでいるという活動。捉え方に幅が出てしまう。教科書を読んでいる。取り組んでいるかいないか。人により考え方は異なってしまう。どちらが正解なのではなく、観察者にズレが生じないように。観察する基準を決めておく。1人の観察者が繰り返すときも同様。個人内での評価基準のゆらぎを防ぐ。予めしっかり決めておく、目標硬度の定義を。イライラしている、楽しそうだ、という内面の評価は難しい。実際に何を見てイライラするか、舌打ちをしている。机をトントン叩く、など。舌打ちをした回数など、観察可能な形で。ルールをしっかり決めておく。観察者間一致率。どういう条件で観察を行うか。いつ誰が何処で観察するか。第三者が学校などに入っていって、学校の先生が自分自身で観察を。自分で自分の行動を。ジョギングを5キロ、ノートに。自己観察。セルフ・モニタリング。行動観察を継続kにしていくことは集中力と時間が。トレーニングを受けた第三者がするのが理想だが、出来ない場合も。その場合はできる範囲で。年に1回しか観察がないのでは意味がない。どんな記録の方法が?かなり種類が。どんな行動を、どんな条件で、選べることが大切。連続記録法。決められた場所や記録で継続して行う。授業中に席を立つ。ずっと観察していて、立ち歩く時に記録を。どの側面を?頻度。手を上げて発言した回数など。持続時間を記録する方が良い場合も。なかなか戻ってこないことが問題なら、持続時間を測った場合が良い場合も。潜時。指示してかかった時間。在る子供は数分かかる場合など。強度。どれくらいの強さなのか。声の大きさを5段階でチェック。ずっと観察をする。時間的にも労力的にもかなりのエネルギーが。観察時間を区切って記録する。インターバル記録法。予め決められた時間の間隔。それぞれのインターバルで生じたかどうかの記録を。30秒毎に立ち上がったかどうかの記録を。残りの20秒間は不要。タイムサンプル記録法。5分毎にその瞬間だけ観察をする。実際の観察場面では応用して複数の子供につき観察したり、複数の行為について観察したりすることが出来る。記号を割り当ててインターバルの中で生じたかどうか。連続記録法では複数の行為を観察するのは難しいが。
観察した記録をどのように扱うか。記録用紙が溜まって数が多くなると、全体としてどうなっているのか読み取ることは容易ではない。紙などでは充分に活用できない。記録をグラフ化する。標準的なsimpleなグラフ。1分間のインターバル記録法。しっかり参加していれば100%。半分の時間なら50%。ベースライン、介入。距離観察のときの何もサポートをしていない場合。グラフ化することで観察した記録がひと目で分かる。影響なども分析できる。
行動観察の、行動を記述する側面。行動がどのような条件で状況で起こっているかを記述する。行動は起きるなりの理由がある。あらゆる行動は環境や文脈により左右されている。休日にあるカフェに入り珈琲を飲みながら読書。落ち着いた雰囲気。非常にいい気分。多くの人も再び行くのでは?カフェに行く行動。その行動が起きやすくなる条件。接客の態度、好みのBGMなど。環境側の条件。とても良い気分になったり、ポジティブな。行動の結果。1つでも欠けると変わるかもしれない。椅子が硬くて疲労がしたときなど。行動が生じる前には何らかの条件があり、結果がネガティブだと繰り返しは起きづらくなる。環境に大きく行動は左右される。問題行動の見え方も違ってくる。椅子から立ち歩く。理由が在るはず。行動観察をすることによって、条件や理由を見つける。大きな解決のヒントになる。環境側の条件を整理する、機能的アセスメント。そのための行動観察の技法。カフェでの読書の例。3つの箱に。三項随伴性。時系列で3つの箱に当てはめる。先行事象。焦点を当てている行動そのもの。行動の結果。後続事象。3つの箱、というのが非常に大事。先行事象。接客態度、座り心地など。行動の結果。変化など。楽しい気分など。行動の結果が起きやすくなったりもする。記録用紙を使って状況や結果をエピソード的に記述。ABC技法。観察には労力を必要とする。ABC記録だけに焦点を充てた方が良い場合が多い。できるだけ主観を交えずに、5W1Hの記録だけを記述する。三項随伴性によって。
エビデンスに基づくアプローチ。行動観察で得られたデータによる。焦点を充てて観察する能力は援助するにあたって重要なスキル。

 

障害児・障害者心理学特論―福祉分野に関する理論と支援の展開 (放送大学大学院教材)

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