恐らく日本人に一番馴染みが深いスパイはリヒャルト・ゾルゲ氏ではないかと。ソビエト連邦は日本と朝鮮半島や満州地域などを巡り勢力圏争いを繰り広げていた。いわゆる帝国主義国家間のそれである。恐れていたのは日本陸軍が戦争を仕掛けることであった。日本陸軍でも仮想敵はソ連であることは周知の事実だった。41年の段階では資源獲得の為に南進論に傾いたが、本当に戦争を仕掛けないかは確信が持てなかった。ソルゲの諜報活動で裏が取れ、ドイツとの戦いに総力を注ぐことが可能になった。今にして思えば、日本陸軍がソ連領に侵攻しても資源は無いしソ連内を支配するのもかなり無理があるけど。