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ギリシア・ローマ(2) ヘロドトス『歴史』(ヨーロッパ文学の読み方、古典篇)

史実と違うところもあるし作り話かもしれないけれど、読んでみたいと思っている。

 

中務哲郎。濱中博久。ヘロドトス「歴史」。2つの戦争は大文学を。トロイア戦争。ホメロス「イリアス」。半ば伝説の領域。怒りと悲しみ、生と死を。ペルシア戦争。ヘロドトス、戦争原因の探究。総合した稀有の書物「歴史」。ヘロドトス。国際都市とされる。混血の可能性も。イオニア文化圏に。大きな旅をする。EgyptやItalyまで。空前の歴史家に。
ヘロドトスは嘘つきか。歴史の父と。ローマの政治家でキケロ。紀元前106年産まれ「法律について」。兄のキケロに尋ねる。歴史において守るべき法則。歴史では全てが事実かで判断される。ヘロドトスにはいろいろな話が。事実としての歴史?生前本当かどうか分からないことを描いた人は地獄に。嘘つきと言われるのは、荒唐無稽なことを記すから。遠い過去のことを見てきたかのように描いている。ギリシア遠征の出発。大王は思わず涙が。忠臣は2つの危険があると。陸と海。海のどこを探しても嵐の際に安全な港はない。港は1つでは済まなくて沿岸全体に必要。かえってなすがままに任せるしか無い。陸が敵対する。先へと進むにつれて陸が敵に回る。距離のゆえに食糧難に見舞われる。会話の証拠はない。陸上部隊が水と食糧の補給に困る。嵐にも遭う。歴史の意味を明らかにしようとした?歴史小説家の筆法?戦争に先立って、突入したあとで演説を覚えているのは困難。自分の歴史を釈明。言い訳をヘロドトスはしていない。ソロン。国内の法整備をして世界漫遊の旅を。トルコの西部。王は歓迎して最も幸せな人間は誰かと尋ねる。名も知らぬ人を第一に尋ねる。ソロンの意外な返答を正す。王よ。運命について。神は妬み深いことをよく知っている。70年の人生。一日として全く同じことが起こることはない。人間の生涯は全て偶然。王であられることは分かっているが、あなたが良い生涯を送られたのでなければ何も言えない。その日暮らしの者より幸福であるとは言えない。富が無くても運に恵まれるものも。全てを具足することは出来ない。国も何もかも備えている訳ではない。結末を見極めるのが肝心。奈落に突き落とされた人間は幾らでもいる。幸福問答。しかし歴史上ありえない。虚構の物語を据えることでキー概念を。神は妬み深い。均衡を。人にしても国にしても全てを備え持つことが出来ない。自然界も人間界もbalanceを保っている。幸福の絶頂から奈落の底に。
序文と全体の構想。歴史の序文を。人間界の出来事が忘れられ事績の数々。戦いを交えた事情を書き述べた。伝統を踏まえて。イリアスの序歌。オデュッセイア。詩人が呼びかける。ヘロドトスの歴史の場合、名乗りを上げて研究調査。ヒズトリア。「歴史」。忘却から救うため。ヘロドトスの歴史はペルシア戦争が主題?脱線に継ぐ脱線。年代が明示されない。どの部分を読んでいるのかが分からなくなる。第2序文を読めば理由がある。人間のすみなる国々について。かつて強大であった国も弱体になるなど、大国も小国も等しく取り上げて。クロイソス。あらゆる国を述べる。全体がシンプルな構想のもとに。分かりづらい書物ではなくなる。ペルシア帝国の4代の王。関係した国の詳細に。キュロス。アケメネス朝ペルシア帝国。三代目ダレイオス。スキタイ遠征で失敗。民族誌が。第一次ギリシア遠征の失敗。4代目。第二次ギリシア遠征の失敗。構想の例外。リディア征服が先に語られている。クロイソス。デルファイのアプロン神殿に巨額の献金を。巻頭に来ている理由。モデルになっている。筆法はパターン化している。ピークに達した後は諫言に従わず国境を超え没落する。興亡をパターン化。自分の口ではなく登場人物に語らせる。永遠に滅びるものでなければともかく、皆は人間。人間の運命は車輪。リディア王クロイソスに使える。かつて強大の国が弱体に。国の興亡や人の幸福不幸。同じところに留まってクルクル回る。転がって移動する。運命の変転。アチコチで再現される。動物の中でも神は思い上がりを許さない。小さな物は神の怒りに触れない。家も同様。抜きん出たものを貶める。雷鳴を轟いて脅すと大軍も壊滅する。クセルクセスの忠臣が遠征に反対。神の嫉妬を。見事な作物と勇猛な兵士は同じところから出来ない。キュロス。人間にしても国にしても全てを備えることは出来ない。物事のbalance。何か神の摂理のようなものがあるが、餌食とされる生物は全て多産。神の配慮によるbalanceが生物界にも。
昔話の魅力。思い出話。「歴史」を読んだのは大学3回生の8月。5日で読んだと返答すると、訳すのには3年かかったと先生は言われた。悲しんだのか喜んだのかは分からない。原稿用紙2000枚くらい。息もつかずに読んだのは絶妙の語り口に引き込まれたから。特に昔話。広く旅をして得られた聞き取り。昔話の収集は近代になって柳田國男などが。サモス島の支配権。プリクラテス。アマシスの心を不安に。書面をサモスに。盛大な幸福が気掛かり。幸と不幸の繰り返しが良い。何時までも幸福でないように、最も貴重なものを捨てた方が良い。財宝の中で貴重なもの。印象付きの指輪。エメラルド。指輪を捨てる決心を。50艘の船を。沖に出ると眼前で海中に投ずる。それから5日目。一漁師が大魚を。献上するのが良さそうと考え王に魚を献じる。魚を取りました時に市場に持っていくものではないと。誠に良いことを。漁師は面目を施した。服中に指輪が。神意によるものに相違ない。捨てたものまで見つかるようでは幸せを全うし得ない。プリクラテスの指輪。昔話や文学では同じモチーフが。兄と妹、息子と母親。エジプト王アマシス。歴史における神は妬み深い。万事に尽く幸福になるよりも幸不幸を繰り返す方が。指輪を投げ捨てる。神の嫉妬を避ける。幸不幸は順繰りに。企みが神に受け入れられなかった。歴史のキー概念を解き明かす。
世界史の教科書に出てくる史実も出てくる。原作を読むしか無い。マラトンの戦い。マラトンの平原で激突する。あっけないくらい簡単な描写。兵士の一人が数十キロを走って息絶えた、そんなことは描いていない。主題、ギリシア人との戦争の要因。直接答えることをしてないが、キー概念を描いている。どうしようもない人間の性向。人間の性、それこそが戦争の原因。

 

ヨーロッパ文学の読み方―古典篇 (放送大学教材)

ヨーロッパ文学の読み方―古典篇 (放送大学教材)