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日本における事業承継の課題と解決策(人生100年時代の家族と法第13回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

ここで、事業承継を専門として数多くの案件を手がける弁護士の福崎剛志先生に、事業承継の実務でどのようなことが行われているのかについてお話を伺いましたので、インタビューをご覧ください。

インタビュアー:今、日本では事業承継が社会的な課題となっているということですが、どのような点が課題となっているのでしょうか。

福崎先生:そうですね、現在の日本経済は成熟期に入っていると言われています。例えば、経営者の年齢層を見ても、約60パーセントが60代以上の経営者という状況です。しかも、そのうちの約3割は70歳を超える経営者が占めており、非常に高齢化が進んでいます。
このように、経済環境が成熟する中で、経営者の年齢層が高齢化している状況です。したがって、次世代に経営を引き継ぐ必要があることが、大きな課題になっているわけです。

インタビュアー:そうしますと、次世代に事業を引き継ぐ際に、さらに課題となるのはどのような点でしょうか?

福崎先生:現状、日本の事業承継問題はあまり進展していないと言われています。その理由として、主に3つの要因が挙げられます。
1つ目は、資産税の問題です。日本では贈与税や相続税、いわゆる資産税が非常に高い。単純に株式を移転したいと考えても、多額の税コストが発生するため、これが大きな障害になっています。
2つ目は、後継者不足の問題です。事業を引き継ぐ後継者が不足している状況です。たとえお子さんがいても、事業を引き継ぐことが難しいケースが多いです。
3つ目は、相続問題です。株式を相続した長男と他の兄弟との間で、相続に関するトラブルが発生しやすい。これも大きな問題点の一つです。