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ネットワーク機器基礎解説(身近なネットワークサービス第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

それではまず、ネットワークを構成する機器について学んでいきましょう。
ネットワーク通信はパケット通信により複数のコンピュータ回線を共有します。このため、パケット交換機を使用してネットワーク同士の接続やコンピュータとの接続を行います。パケット交換機は、ハブやルーターといった装置で、パケットの受け渡し処理を実施します。

【図1:OSI参照モデルの基本構造】
第3回で学んだOSI参照モデル(Application層~Physical層)の図を参照してください。パケット交換機は、処理を行う階層により以下の3種類に分類されます。

  • 第一層のみの処理(物理層)
  • 第二層までの処理(データリンク層)
  • 第三層までの処理(ネットワーク層)

次に、パケットを中継する機器について考えてみましょう。パケット中継を行うネットワーク機器には、リピーター、ブリッジ、ルーターの3種類があります。OSI参照モデルを用いてそれぞれの役割を説明します。

【図2:パケット中継機器の分類】

  1. リピーター

    • 第一層(物理層)の中継を行います。
    • LANケーブルを流れる信号の増幅のみを行い、ネットワーク上のすべての信号をそのまま中継します。
    • 信号の流れ自体がパケットの流れとなります。
  2. ブリッジ

    • 第二層(データリンク層)までの中継を行います。
    • ネットワーク上の第一層に対応する信号からパケットを含むフレームを抽出し、第二層の処理を実施します。
    • フレームの送信先は、MACアドレスを用いて判断し、届けるべきコンピュータが接続されたポートのみに送信します。
  3. ルーター

    • 第三層(ネットワーク層)の中継を行います。
    • パケットの内容を理解し、接続されている複数のネットワーク間で適切にパケットを転送します。
    • 経路制御機能により、IPアドレスを用いて転送先を判断します。

以上のように、各機器はOSI参照モデルに基づく階層ごとの処理能力によって分類され、ネットワーク内で異なる役割を担っています。