ーーーー講義録始めーーーー
生活習慣病の食事療法
生活習慣病の第一選択治療は食事療法です。以下に、各種ガイドラインで推奨される基本的指針を示します。特に重要な項目には“※”を付しています。
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適正エネルギー摂取※
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身体活動量や年齢・性別に応じた総エネルギー量を設定し、過剰なエネルギー摂取を避ける。
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栄養バランスの確保※
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主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の三大構成を基本とする。
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食物繊維の積極的摂取※
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玄米・大麦などの未精製穀類、豆類、野菜、海藻、きのこ、果物、芋類などを意識的に増やす。
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塩分制限※
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高血圧治療ガイドライン(JSH2024)では、1日あたり食塩6g未満を目標とする。
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外食や加工食品に多量の塩分が含まれやすいため、減塩醤油への切り替え、汁ものの残しなどの工夫を。
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脂質・コレステロール管理
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飽和脂肪酸(バター・ラード・ヘッド等)とコレステロールを抑制。
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青魚(サバ、イワシ、サンマ等)に多い**n-3系多価不飽和脂肪酸(EPA/DHA)**を積極的に摂取。
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節度あるアルコール摂取
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節酒を基本とし、純アルコール量で男性20g/日未満、女性10g/日未満を目安に。
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“健康に良い食習慣”の3か条
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栄養バランスの良い食事
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規則正しい3食(決まった時間に摂取)
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適量を守る
また、食事療法のみならず、適度な運動(週150分程度の有酸素運動+筋力トレーニング)と十分な休息・睡眠も、生活習慣病予防・改善に欠かせません。