ーーーー講義録始めーーーー
咀嚼と嚥下の重要性
**咀嚼(そしゃく)**とは「噛むこと」、**嚥下(えんげ)**とは「飲み込むこと」です。口から食べ物を摂取することは、健康を保つ上で非常に重要です。なぜなら、咀嚼と嚥下は消化吸収の最初の段階を担うからです。
口腔内での消化(物理的消化)
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咀嚼
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歯で食物を細かく砕き、
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舌と頬の動きで口腔内全体に広げつつ混ぜ合わせます。
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唾液分泌
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唾液腺から唾液が出て、酵素(アミラーゼなど)でデンプンを部分的に分解します。
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粒子をまとめ、食塊(しょっかい:ボーラス)を形成します。
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こうして作られた食塊は、咽頭を経て食道へ送られます。
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舌が食塊を咽頭の奥へ押し出し、
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咽頭は食道への通り道として機能します。
この一連の複雑な動き(咀嚼運動・舌運動・唾液分泌・嚥下反射)は、脳幹の自律神経系によって無意識に制御されています。私たちは意識せずとも、口に食物が入ると自然に噛み、飲み込むことができるのです。