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食品の一次~三次機能と健康維持(食と健康第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

食品の三大機能

私たち現代人は、平均して1日3回食事を摂ります。80歳まで生きると仮定すると、

 
3回/日 × 365日 × 80年 ≈ 87600 回 もの食事を重ねることになります。この膨大な回数の食事が、私たちの健康状態を左右するのです。

たとえば、脂肪分に富んだ食事を摂り続ければ肥満や生活習慣病のリスクが高まり、
特定のビタミン不足なら欠乏症を招きます。したがって、バランスの取れた食品を適量摂ることが、病気を遠ざけ、健康を維持するうえで不可欠です。


食品の三大機能

食品には、一次機能から三次機能まで、3つの役割があります。

  1. 一次機能(栄養機能)

    • 三大栄養素

      • 炭水化物(糖質):主なエネルギー源

      • 脂質:エネルギー源かつ細胞膜やホルモンの材料

      • たんぱく質:エネルギー源であり、筋肉や臓器、酵素の構成成分

    • ミネラル:骨や歯の構成要素、神経伝達や酵素活性に関与(例:カルシウム不足で骨粗鬆症、鉄不足で貧血)

    • ビタミン:生体反応の補酵素として代謝を円滑に進める

      • 水溶性ビタミン(B群・Cなど)

      • 脂溶性ビタミン(A・D・E・Kなど)

  2. 二次機能(感覚機能)

    • 食品の色・香り・味・食感が、食欲や嗜好を刺激する機能

    • 例:青いバナナは未熟さを示し、黄色いバナナは甘さを連想させて食欲をそそる。松茸の香りは「旬」を感じさせ、料理のおいしさを高める。

  3. 三次機能(生理調節機能/機能性成分)

    • オリゴ糖食物繊維ポリフェノールなど、微量成分が腸内環境を整えたり、抗酸化作用で生活習慣病を予防したりする機能

    • 近年では「機能性表示食品」制度のもと、エビデンスに基づく健康効果が評価されている。


15回の講義を通じて、一次~三次機能それぞれの理論と具体例を学び、食のもつ多様な役割を総合的に理解していきましょう。