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特性理解から行動理解への転換 #放送大学講義録(認知行動療法第2回)

ーーーー講義録始めーーーー

 

従来の特性理解の限界

人間の特性や個性を理解する際、私たちは「あの人は短気だ」「少し心配性だ」「頑固なところがある」といった性格的特徴(特性論的理解:trait theoryに基づく捉え方)を用いがちです。
しかし、認知行動療法(CBT)では「行動」という観点を重視します。
なぜなら「短気」といったラベルでは、実際にどのような状況で、どのような行動をとるのか
が明確にならないからです。


行動的理解の具体性

短気の例

  • よく喋り、攻撃的に発言するのか

  • 待てずにイライラし、貧乏ゆすりをするのか

  • 実際にテーブルを叩き、相手を罵倒するのか

  • 怒りを頻繁に表現するのか、それともほとんどしないのか

心配性の例

  • 自分のマイナス面を繰り返し考え続けているのか

  • 特定の状況で不安に基づく行動を取るのか

  • どのような身体的反応(例:動悸、発汗)を示すのか

このように、特性を具体的な行動に置き換えて理解することが、認知行動療法の実践の第一歩です。これをCBTの用語では**「抽象から具体へ(行動的アセスメント、操作的定義)」**の転換と考えることができます。


行動理解の利点

行動的理解には次のような利点があります:

  1. 観察可能性:具体的行動は観察・測定が可能

  2. 変化可能性:特性は変えにくいが、行動は変えることができる

  3. 介入可能性:具体的行動には具体的介入が可能

  4. 効果測定:行動の変化は客観的に評価可能