ーーーー講義録始めーーーー
従来の特性理解の限界
人間の特性や個性を理解する際、私たちは「あの人は短気だ」「少し心配性だ」「頑固なところがある」といった性格的特徴(特性論的理解:trait theoryに基づく捉え方)を用いがちです。
しかし、認知行動療法(CBT)では「行動」という観点を重視します。
なぜなら「短気」といったラベルでは、実際にどのような状況で、どのような行動をとるのかが明確にならないからです。
行動的理解の具体性
短気の例
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よく喋り、攻撃的に発言するのか
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待てずにイライラし、貧乏ゆすりをするのか
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実際にテーブルを叩き、相手を罵倒するのか
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怒りを頻繁に表現するのか、それともほとんどしないのか
心配性の例
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自分のマイナス面を繰り返し考え続けているのか
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特定の状況で不安に基づく行動を取るのか
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どのような身体的反応(例:動悸、発汗)を示すのか
このように、特性を具体的な行動に置き換えて理解することが、認知行動療法の実践の第一歩です。これをCBTの用語では**「抽象から具体へ(行動的アセスメント、操作的定義)」**の転換と考えることができます。
行動理解の利点
行動的理解には次のような利点があります:
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観察可能性:具体的行動は観察・測定が可能
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変化可能性:特性は変えにくいが、行動は変えることができる
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介入可能性:具体的行動には具体的介入が可能
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効果測定:行動の変化は客観的に評価可能
