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急増するうつ病:人間の孤独とコミュニティの視点から(2)#放送大学講義録

人間の孤独さの問題は深刻である。

 

急増するうつ病:人間の孤独とコミュニティの視点から - F-nameのブログ

 

------講義録始め-----

 

人間の孤独とコミュニティ、特に家族に対する思いについて考えます。近代化の過程で、「封建的な村落共同体からの解放」が一つのテーマとなりました。これに伴い、親族共同体や地域共同体が解体し、核家族という形の家族が一般的になっています。会社もまた、新たな「ムラ社会」を形成し、男性は仕事を中心とした生活を、女性は専業主婦としての役割を担うことが多くなりました。これにより、親族関係や地域とのつながりが弱まる一方で、共働き家庭の増加により、家族内の役割も変化しています。

このような変化は、家族という単位の「閉鎖性」を高め、家族以外の社会的なつながりを希薄にしています。家族の価値は重視されているものの、「家族が大事」という意識とは裏腹に、それ以外の絆が弱くなっているのです。単身世帯や非婚の増加も、家族という概念が以前ほど自明でなくなっていることを示しています。社会的な団体への帰属意識も低下しており、多くの人々がどの団体にも属さない状態にあります。