F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

業務命令権(雇用社会と法第4回)

労働者として他人事ではないと感じる。ある程度は理論武装をしておいた方が良いかも。

 

業務命令権。労働契約は賃金を支払い労務を提供する双務契約。労務の提供と言っても使用者の指揮命令に労務命令に。法的な根拠や具体的な範囲。強制力がある。懲戒処分。労働者の権利や自由、プライドを受けやすく一定の歯止めが必要。
就業規則の規定が契約内容に。契約内容になるから業務命令権が。帯広電電公社事件。一定の範囲での使用者の指揮命令に。労働契約法。7条。多くの場合、就業規則の解釈の問題として。配転や出向。残業命令。多くの就業規則では配転を想定していて、それが契約内容に。合意に反している、就業規則に合理性がない、業務命令の出し方が濫用。業務命令自体が無効に。契約上の合意内容はどのようなものかの特定が必要。業務命令の範囲について労使が合意するのは一般的ではない。勤務地についても支社採用はあるが、特段の場合でない場合は勤務地も特定されない。業務命令の内容を特定しないとなると、使用者に広範な裁量が。リスクを労働者が負う。弱い立場に。配転命令については労働者の立場が弱いのが現状。業務命令の範囲内かどうか。範囲外は特別な場合。次は範囲内であっても濫用になる場合も。実際の紛争においては懲戒という事態になるので、拒否するのは困難。裁判例でも濫用を認める例は多くない。組合活動を抑制する不当労働行為など。実際のcheckは容易ではない。
業務命令の違反と懲戒。多様な目的がある。拘束力の有無や程度が異なる。職場秩序の維持を目的とする。施設管理権との関連で発せられる、組合活動や政治活動、特定のビラを撒くなと言うなど、不当労働行為との関連。研修命令など。目的や内容が労働者の人格を損なう。健康診断との関係で、検査の為の受診命令を出しうるか、プライバシーとの関連。基本的に発することが出来る。2つの最高裁判例。帯広電電公社事件。精密検診。女子労働者に対して検診を受けるよう指示したが違反したので戒告。健康管理規定上、必要な指示を出しうる。愛知県教育委員会事件。X線検査の受診をしなかった。市立学校教職員は労働安全衛生法の規定に従うべき。校長は職員に受診することを命じる事ができる。一定の範囲で検診命令を。医療情報の収集や管理、プライバシー保護の重要な問題。グローバルに見ても。プライバシーについては医療情報の利用については多くの紛争が。労働力の配置や労務提供について。就労場所や配置。8時間働く、千葉で働くなど。ある程度包括的な。具体的就労形態。制服の着用。茶髪は変えるように。日常的な仕事の仕方についての業務命令。懲戒処分との関係。秩序を乱す。調査に協力するよう業務命令を出しうるか。所持品検査。私物の検査。それを出しうるか。懲戒処分との関係で自宅待機命令。始末書提出命令。業務命令でも多様なものが。
業務命令に関しての紛争。法律的な問題はパターンが前提。労働者に何かを命じると言っても、明確な形とは限らない。配転の場合。内示や事前の通知、説得。金銭的な誘導も図られる。インフォーマルな調整がなされる例が。突然配転命令が出るのは一般的ではない。モチベーションが下がる。生産性も上がらない。ソフトな形で。裁判やトラブルになると労務は負け。業務命令という強制手段を取る前に一定の配慮を。円滑な履行の前提。実際の裁判。使用者の労働者への要請には多様な形態が。グレーゾーン。単なるお願いか上司の独り言かよく分からない。労働時間に該当するか。拘束力の程度。業務命令を巡る問題は多様なバリエーションが。業務命令とした方が労働者に有利か不利か。30分早く出社して掃除を。これは業務命令?来ないと業務命令で処分が可能に。賃金請求権も。業務命令でないと賃金請求権は無いが処分も出来ない。大きく意味が異なる。裁判例でも業務命令が法的なのかは、どういう事件なのかで異なる。業務命令違反のパターン。人事考課や査定に反映。本来の業務を履行しない、賃金カット。業務命令をしてなければ一定の判断が出来る。場合によっては解雇も。命令違反に対する懲戒処分。業務命令自体を争う。セクハラ的なものなど。5つの類型で業務命令性を議論。使用者の特定の措置が業務命令と言えるか、単なるお願いか。30分早く来て掃除を。査定に係る場合。業務命令でないとしても、査定に早出の有無を反映させないとすると難しい。業務命令の法的効果を前提に業務命令は何かを。
具体的な配転命令の法的性質。転勤。転勤命令。職種を変更。配転。企業が大きいとかなり一般的。労働力の調整や雇用の維持。紛争の型。効力自体を争う。配転命令を受けた後に拒否、懲戒解雇の問題として。解雇の効力を争う。最近は解雇のリスクを負いたくないので、配転命令自体を問題に。配転命令権が合意の範囲内か。合意内容は採用時の合意。専門性。会社の慣行、就業規則から。配転について多くの場合は包括的合意があるから妥当と判断されることが多い。日産自動車村山工場事件。長年機械工で働いてきたのを組立工に。九州朝日放送事件。アナウンサーから情報局へ。タクシー運転業務から営業へなど、配転命令は無効に。異職種への配転が権利濫用とされることも。同一職種内かどうかの問題も。合意の範囲内であっても濫用とされる場合。とりわけ転居を伴う場合、一定の配慮が必要。濫用とみなされる場合。業務上の必要性がない。あっても他の不当な動機で為された。あっても労働者にとり甘受すべき範囲を超えている。生活に多大な不利益を。業務上の必要性があるかないか、労働力の適正配置、能力開発など。比較的広く認めている。必要性の認定は厳格ではない。濫用とされる措置はあまりない。不当労働行為の場合が多い。退職勧奨を拒否したので配転命令を。配転命令が不当な意思によるものか。帝国臓器製薬事件。ケンウッド事件。前者では単身赴任は要れられず。養育上の事情も認められていない。東亜ペイント事件など、濫用性をなかなか認めない。単身赴任や養育上の事情は理由にならない。平成20年代以降の下級審では家族介護の必要性などで濫用とされる例も出てきている。キャリアについての権利を不当に侵害するという主張も。配偶者や子供の利益を。配偶者の同居権。子供の親と一緒に居る権利。帝国臓器製薬事件で正面から争う。配転命令自体が有効。単身赴任は本人が選んだ、という論理。
関連会社への出向。法人格が別の会社へ。リストラなど。法的な構成。在籍出向。休職。転籍。出向元を退職する。労働者の個別の同意が必要。形式的には在籍出向でも復帰が予定されていないもの。場合によっては保護が、リストラにも使われるか。出向命令権がどの場合に認められるか。同意の中身については一定程度の包括的なものでも良いとする。同意があったとしても濫用は許されない。労働契約法19条。希望退職を拒否したので出向命令をするのは無効。

 

雇用社会と法 (放送大学教材)

雇用社会と法 (放送大学教材)