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学校GRCと危機管理の実践指針 #放送大学講義録(学校と法第15回)

ーーーー講義録始めーーーー

 

そして、もう一つの課題が、GRCを意識した学校経営・教育実践です。GRCとは、Governance(ガバナンス)Risk Management(リスクマネジメント)、**Compliance(コンプライアンス)**の頭文字を取ったもので、組織運営におけるリスクとコンプライアンスを統合的に管理する経営手法・管理体制を指します。

近年、学校を取り巻く環境は急速に変化し、教育現場での紛争やトラブルの要因は多様化・複雑化し、規模も拡大しています。その中で学校経営や学級経営、教育実践を展開するには、数多くの意思決定を行う必要があります。その際、ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンスを統合的に運用するGRCの視点を持つことが不可欠です。

ガバナンスやコンプライアンスについては既に説明したため、ここでは危機管理に関わるリスクマネジメントクライシスマネジメントについて述べます。
「危機管理」という用語は、東日本大震災以前から学校現場で使用されてきましたが、2011年の震災を契機として、その重要性が一層強く認識されるようになりました。危機管理は、リスクマネジメントとクライシスマネジメントの二つから構成されます。

  • リスクマネジメント(Risk Management)
    事故の発生を防ぐための取り組みであり、事故発生前にリスク要因を特定・分析・評価し、発生可能性を低減する対策を講じます。この段階で対象となるリスクは潜在的な状態にとどまっています。

  • クライシスマネジメント(Crisis Management)
    事故発生後に被害を最小限に抑えるための取り組みです。どれほど予防策を講じても事故の発生を完全にゼロにすることは不可能であるため、発生を前提に事前対策を講じ、発生時には迅速な**ダメージコントロール(Damage Control)**を実施します。

両者は危機管理の重要な構成要素ですが、学校現場では危機管理マニュアル作成時に両者の違いが十分に認識されていない事例が散見されます。まずは危機管理がリスクマネジメントとクライシスマネジメント双方を含むという正しい理解を共有し、その上で児童生徒の安全確保に向け、先行的なリスクマネジメントを徹底して危険要素の排除に努めることが求められます。

 

 

 

 

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